ストラデッラ 『シンフォニアニ短調』
今週の目覚ましはストラデッラ。NHKFMの「古楽の楽しみ」はイタリアの天才(放蕩)作曲家ストラデッラの特集です。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、このストラデッラという男、とにかくとんでもないヤツです(笑)。
これほど何度も殺されかかって、それでもなんとか命拾いして、でも結局殺されちゃったという作曲家も珍しい。
なんで、そんなに命を狙われたかというと、まあ簡単に言えば、ヤクザの女に手を出しまくったわけですよ。
そりゃあ危ない。いろいろなところに逃げまくっては、音楽の才能(&おそらく美貌)によって誰かに救われる…居場所をつきとめられて刺客を送り込まれる…また逃げる。
ストラデッラは声楽作品において非常に優れた(ある意味過激な)作品を残していますし、器楽曲の分野では、いわゆる合奏協奏曲のスタイルを確立したという功績もあり、その後のイタリアバロック隆盛に大きく寄与していると言えます。
しかし、それ以上に音楽史に貢献したということでは、彼の波瀾万丈すぎる人生そのものが、その後の作曲家のオペラの題材になっているということです。たしかに映画化しても面白そう。
私はいちおうヴァイオリン弾きなので、彼のソロ・ヴァイオリン作品に興味があります。ここに紹介するシンフォニアは形式的にはヴァイオリンと通奏低音のためのソナタです。
その展開のドラマティックでドラスティックなところは、まさに彼自身の人生を思い起こさせます。通奏低音も非常に過激に動きますし、とにかく過激。たとえば友人でもあったコレッリの作品とは大きく違います。うん、コレッリとは対照的ですね。
私はこういうぶっ飛んだ天才(バロックというよりもロック?な)ミュージシャンが好きです(笑)。皆さんもぜひ今週はちょっと早起きしてストラデッラの作品を聴いてみてください。
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