お田植祭
今日は不二阿祖山太神宮のお田植祭に参加してきました。
富士山を正面に望む大明見の御神田で行われたこのお田植祭。現代日本人が忘れてしまっている天地への感謝、そして伝統的な農法を復活させようという試みです。
天地への感謝、敬意はもちろん、現代人が天地を汚してしまっていることに対する反省をもこめた祝詞を奏上し、山の幸、海の幸、そして人の手によって作られた塩や酒などを奉納し、歌や踊り、掛け声や手拍子、太鼓に合わせながら、早乙女が一つ一つの苗を手植えしていく様子は、なるほど感動的でした。
こういったことを忘れてしまったこと自体が、まさに戦後レジームなのではないか、すなわち、戦後レジームからの脱却とは、太古から連綿続いてきたはずの自然への信仰心を取り戻すことなのではないかと思いましたね。
今日は、駐日トーゴ大使ご一家や、ネパールからのお客様ら、外国の方もおいでになっていました。彼らはこの日本の伝統に心から感動しているようでありました。
彼らも私たちと一緒にお手植えしましたが、その様子は決して不自然ではなく、逆に懐かしささえ感じさせたのは、ある種驚きでした。彼らもまるで故郷に帰ってきたかのようだと話していました。
おそらくは地球上全ての地域、民族が、本来はこういう生活を送っていたのでありましょう。自然と共生するというのもおこがましい。自然に生かされている私たち。
もちろん自然は時に厳しいものです。ネパールの地震、箱根の火山活動、そして、歴史的にはこの富士山も何度も猛威をふるっています。
それでも、その自然に対して恨み事を言うのではなく、また、自然をコントロールの対象とするわけではなく、その荒魂を祭り、和魂の招来を待つ。それこそ自然な生き方でしょう。
ご神事の間、多くの鳥や虫が田んぼを訪れていました。たとえばツバメやスズメは人間の耕した自然、人間が手入れした自然のおかげで生活をしています。
御神田付近は、かつては休耕田が荒れ地となり、ホタルは絶滅の危機に瀕し、イノシシは住宅地にまで出没して畑や庭を荒らしました。しかし、田んぼが復活し、また荒れ地に真菰を植えることによって、ホタルは復活、イノシシも里に下りてこなくなったと言います。
手付かず、手付けずの自然が自然だというわけではありません。それぞれの動物や植物に、それぞれの役割があるように、人間には「手入れ」の役割があるのに違いありません。
自然をお手入れさせていただき、その恵みを頂戴する。そういう生き方が本来の日本人、いや地球人の生き方だったのでしょう。それがいつの間にか、私欲にまみれ、必要以上のものを食べ、必要以上の財をなし、結果自然を破壊してしまった。
美しい富士山を背景に一生懸命田植えする早乙女さんたちの姿を見ながら、教師である私としては、教育の重要性と責任を思わずにはいられませんでした。今週末には我が校でも田植えをします。神事はできなくとも、その心だけはちゃんと伝えたいと思います。
皆さま、お疲れ様でした。そして、人も含めて全ての自然に感謝いたします。ありがとうございました。
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