相模とミシャグジ
今日も個人的備忘録。
箱根山の活動に伴い、相模(寒川)文化圏に再び注目しております(こちら参照)。
そんな中、日本語学的に気になることがいくつか出てきています。妄想が暴走しているとも言えますが(笑)。
そのうちの一つが相模とミシャグジの関係です。一般には両者は関係があるなどとは思われていませんが、当富士北麓地方(郡内地方)がかつて相模国であったという異伝を考証していると、不思議な関係が見えてきます。
昨日書いた長慶天皇陵のすぐ横に鎮座する「社宮地(シャグウチ)神社」。これは明らかにミシャグジ信仰(諏訪信仰)の遺跡です。その社宮地神社のある背戸山の尾根をつたっていくと「杓子(シャクシ)山」があります。その先には、皇太子さまも登られた謎の霊山「御正体(ミショウタイ)山」がそびえます。
この御正体山については、今までミシャグジとは結び付けず考えてきましたが、考えてみれば「御正」は旧仮名遣いで書けば「ミシャウ」ですから、無理やりこじつければ、「ミシャ」関連であるとも言えます。
御正体山は養蚕の神としての信仰がありました。最近の私の研究によると、諏訪地方から富士北麓地方に向けて「絹の道」と諏訪信仰が流れてきたことが分かっています。
それから、今日都留に仕事で行く途中思い出したのですが、桂川(相模川)の支流に「柄杓流川」というのがあります。
私は以前西桂町の寺に住んでいました。寺の裏に流れていたのがこの川です。なんと読むかというと「シャクシナガレガワ」でして、「ヒシャク」ではありません。これなんかも、ミシャグジにつながっていますね。
ちなみに西桂町には諏訪神社が二つあります。それも「浅間諏訪神社」と「諏訪八幡神社」という絶妙に習合した神社です。西桂町も絹織物の盛んな町ですね。
そして、そういう妄想を広げていきますと、「相模」さえもミシャグジと関係があるように見えてくるわけです。
ご存知のように、「サ行音」はかつて「シャ・シィ・シュ・シェ・ショ」と発音されていました。特に東国ではそのような傾向が強い。
そうしますと、今では「サガミ」と発音されている言葉も、かつては「シャガミ」と発音されていたことになり、こちらも「シャグ」や「シャク」に近くなってきます。
あっそうそう、西桂から仰ぐ三ツ峠に続いている「御坂(ミカサ)峠」も「ミシャ」の系統かもしれませんね。
何度も書いているように、北口本宮冨士浅間神社はもともと諏訪神社でした。つまり、出雲の荒魂である建御名方を祀っていたわけですね。建御名方とミシャグジ神は同体、あるいは同系と見られているわけですから、広く「相模文化圏」というのは、富士山に代表されるような火山の荒々しいエネルギーを祀る文化圏であったとも言えます。
そこに和魂系の木之花咲耶姫や三輪神社が、そして絹織物が絡んでくるところがまた面白い。これからもいろいろ調べて妄想したいと思います。
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