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2015.05.11

『美しき緑の星』 コリーヌ・セロー監督作品

LA BELLE VERTE
Th_url このところネット上評判になっているこのフランス映画。さっそく観てみました。
 たしかに面白かったけれど、みんなが言うほど感動的とか人生変わるとかいうレベルではありませんでしたね。
 だいたい、本国で発禁とか、動画サイトにアップしてもすぐに削除されるとか、そういう都市伝説的なことで評判を取ろうとしていること自体、実に胡散臭くて…いやいや、だからこそ「コメディ」としてなかなかの出来なんでしょうかね。
 そういう風説やら流行やらに乗せられてしまう「地球人」への揶揄ということでしょうか(笑)。
 まあ、とにかくコメディ作品としてはかなり面白い。そうそう今日も大笑いさせてもらいましたドラマ、私の短歌の師匠である笹公人さんの歌集を原作とする「念力家族」と似たようなドタバタアットホームコメディとも言えますね。
 この映画の「理想郷のような地球外惑星から地球にやってきた宇宙人が、地球のひどく遅れた文明に驚きつつ興味を持ち事件を起こす」という展開は、どこにでも転がっているアイデアですし、その「驚き」の内容もあまりに当たり前。
 言うなれば現代地球人のある種の人々が主張していることと何ら変わりありません(宗教者に登場願わなくとも、その辺にいくらでもいる「なんでも反対派」の人たちで充分)。
 そこに解決策があるわけでもなく、逆に地球の女に惚れて連れ去ってしまうというオチまでついていて、それのどこが「感動的」なのか全く分かりません。ただ笑っていればいいのでしょうに。
 だいたいですね、この映画に「不都合な真実」が描かれているがために、この映画を発禁にし、削除し続けるという「仮想敵」を想定している時点で、もう全く平和的ではない観念に陥っているわけですよ。まあ、陰謀論にはまって自己肯定感を得る人たちと一緒ですね。
 いや、この映画自体、さっきも書いたようにコメディとしては大変面白い出来ですし、私もいろいろ合点がいったところがありましたよ。特に、バッハがその星から地球に送り込まれたという「事実」には、なるほどやっぱりと膝を打ちました(笑)。
 そういう意味でラストに流れるバッハのコラールは実に美しく響きましたね(それも時代考証的な演奏とはかけ離れたあの方々の歌声)。
 それにしてもあのオペラ座でのドタバタ演奏シーン、皆さんホンモノの演奏家でいらっしゃる。すごい演奏力&演技力でビックリしてしまいました。日本人はここまで出来ないでしょう。
 そして、ついでに言うと、私は今でも自分を地球外惑星からやってきた宇宙人だと思っていますので(幼児期のそういう記憶があるんですよ)、そういう意味でもいろいろ納得がいくというか、ああそうそうと思うシーンがたくさんありました。
 「切断」…これはたしかに象徴的な言葉ですね。いや、「切断」すべきだと言っているわけではありませんよ。私たちは「切断」されたらこの地球では生きていけませんからね。「切断」された人たちが一番可笑しかったのはそういうことでしょう。
 というわけで、はたしてどんな裏の権力がこの作品に待ったをかけているのかを知るために(笑)、ワタクシ流にここにアップします…と書いたらある人から「やめとけ」と言われました。いや、別に消される(殺される)とかではありませんよ。代わりに今日現在ニコニコにあるのを貼っておきます。たぶん近いうちに(誰かに?)削除されると思いますが、たぶん(その誰かが?)またアップしてくれることでしょう(笑)。

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