こどもの国50周年…戦争と公園
天皇皇后両陛下がこどもの国50周年の式典に出席されました。
こどもの国は昭和40年5月5日開園。私は昭和39年の8月生まれですので、ほぼ同い年ということになります。
39年は東京五輪、新幹線開通などがありましたし、当時の日本の子どもには夢がありましたね。
私も何度かこどもの国を訪れた記憶があります。家族で行ったのか、幼稚園などの遠足かなにかで行ったのか定かではありませんが、やはり、ちょっとした夢の空間であった思い出だけは残っています。
その後、小学生になると、こどもの国に関するあるウワサを聞くようになりました。そう、幽霊が出るという(いかにも小学生が好きそうな)ウワサです。
その頃はその幽霊の素性はよく分からなかったのですが、今になって思うと、上のニュースにもあるように、こどもの国が軍事基地、軍事施設などからの転用であったことと関係していたに違いありません。
考えてみれば、昭和40年代というのは、まだ戦争が終わってから20年ちょっとしか経っていなかったわけで、たしかに私の住んでいた東京にも傷痍軍人の姿などがありましたね。
高度経済成長期の東京ではありましたが、そうした戦争の残り香のようなものは案外はっきり残っているのでした。
だからそういう意味での幽霊話などもけっこうありました。防空壕あとで肝試しとかもあったし。
こどもの国の幽霊話もそういう過去の残像を怖がりながら、なかば楽しむという遊びの要素があったと思います。
戦禍を遊びの対象にするなど不謹慎かというと、決してそんなことはなく、おそらく歴史上の様々な不幸は、そうして純粋にして無垢ならざる「こども」たちによって癒やされてきたのでありましょう。大人の論理では難しい。
全国各地に、そうした軍事基地や軍事施設を転用した公園があります。それをそれこそ歴史の隠蔽のように言う方々もいらっしゃいますが、ある意味そういう方法でしか清算できないのかもしれませんね。
考えてみると、沖縄やグアム、サイパンといった例をあげるまでもなく、激戦地はのちに有数の観光地となっています。過去の凄惨な事実を忘れ、平和のもとに観光することが、一つの特別な慰霊になっているのでしょう。
天才歴史哲学者、仲小路彰には「地球公園化」という構想がありました。世界史上の戦争を研究し尽くした末に至った一つの慰霊の方法、あるいは平和への具体的な方法が、その「地球公園化」だったのではないかと、ふと思いました。
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