「主権回復の日」と「屈辱の日」
今日4月28日は日本国主権回復の日です。
詳しくは昨年のこちらの記事をお読みください。
そのサンフランシスコ講和条約が発効した特別な日に、そして昭和天皇の誕生日に安倍総理とオバマ大統領の日米首脳会談が行われるのは、これは偶然ではありません。
その点に関しては報道でもほとんど触れられないのはなぜでしょうか。そして、両首脳による共同声明でそのことに触れるのか。
また、そうした日に、総理夫妻がホロコースト博物館やアーリントン国立墓地を訪れたことにも大きな意味があると思いますね。霊的な意味において。
私は未来の日米関係について、おそらくは一般の方とは違うであろうビジョンを持っています(「国譲り」理論の応用です)。そういう意味で今回の総理の訪米には大きな意味があると思っていますし、期待もしています。また、僭越ながら意見もさせていただいています。
一方で沖縄ではこの日を「屈辱の日」と呼んでいます。サンフランシスコ講和条約によって日本国の主権が回復したとはいえ、沖縄や奄美大島などはいまだアメリカの統治下にあった、すなわち、取り残された人々にとっては「屈辱の日」であると。
それも理解できます。沖縄が返還されたのは昭和47年。20年のタイムラグがあり、その歪みが今でも基地問題などとして沖縄の皆さんを苦しめているわけです。
しかし、沖縄のおかげで戦後のアジアの歴史が作られてきたというのもまた事実であり、そこは本土の人間として感謝しなければなりません。
沖縄の方々の中には、そんな「屈辱の日」になぜ日米首脳会談を行うのか疑問に感じる人もいることでしょう。実際一部でデモも行われました。
また、沖縄の歴史にとって、昭和天皇という存在も実に微妙であります。沖縄の人々にとっては、昭和天皇は何度も自分たちを「捨てた」という実感があります。
最終的に沖縄戦を止められなかったこと、和平工作の中で沖縄を手放すことをほのめかしていること、戦後アメリカの長期統治を了承したこと。そして、存命中一度も沖縄を訪れなかったこと。
今上天皇は特に沖縄を重視し何度も訪問していますが、沖縄県民の昭和天皇への複雑な思いは変わることはありませんでした。
はたして、このたびのこのタイミングでの日米首脳会談において、沖縄の基地問題などはどのように扱われるのでしょうか。
いずれにせよ、これまでも、そしてこれからも、沖縄はアジアの平和にとって非常に大きな役割を果たしていくことでしょう。それが「負担」なのか、それとも「天命」なのか。沖縄の方々だけではなく、日本国民みんなで考えていかねばなりません。
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