雪月花に酔ふ
月江寺の桜に時ならぬ雪が積もる。まさに「雪月花」。
そんな特別な日は私の家族にとっても、そして私にとってもスペシャルな日となりました。まさにスペシャル。
そう、今日は我が中学・高等学校の入学式。月江寺というお寺を母体とする学校ですので、毎年お釈迦様の誕生日、すなわち花祭りの日に入学式を行います。
今年の入学式には、上の娘は高校、下の娘は中学への新入生として、カミさんは来賓として、そして私は司会者として、つまり家族全員で入学式に参加。
これはさすがに一生に一度でありましょう(卒業式は中高別々に行うもので)。
その入学式自体は、富士学苑らしく重厚につつがなく終了した…ように外からは見えたでしょうね。ところが、実は私自身の中では、人生初の大ピンチだったのです(結局自分の話でスミマセン)。
以前の私は、卒業式、入学式の季節は、絶対に司会なんかできないほどの大変な花粉症に悩まされていました。しかし、一日一食にしてからすっかり治り、ほとんど気にならないくらいに良くなっていたんですね。
ただ、多少ノドに痰がからみ、咳をしたくなることはありました。今朝はちょうどそんな感じで、これは司会をするのにちょっと不都合だなと思い、「せき・たん」の薬を飲んでいこうと思っていたのです。ところが、朝ドタバタしていてつい忘れてしまった。それが悲劇(喜劇)の始まり。
学校で司会業の準備をしている最中もノドがガラガラしていたので、まあこれも花粉症の一つだと思い、学校にあった花粉症の薬を半分だけかじって飲んだんです。
そうしたら、さあ大変。入学式開始30分前に突然、酩酊状態になってしまった!
私は一日一食じゃないですか。つまり昨日の夜から何も食べていない。そこに「食後」の薬を飲むと場合にはってはこういうことになるんでしょうか。あるいは、この薬との相性が悪かったのか…。
まず、今まで練習していた原稿が、「あれ?これ間違っている」と思い始めてしまったのです。たとえばたくさんの人名が書かれているじゃないですか、それが初めて見るような名前に見え始めてしまったのです。
開始まで20分、これはまずいと思い、雪の中会場をあとにして中学へ走って行きました。きっと違う年の原稿を印刷して持ってきたしまったと思ったのでしょう(その時の自分は)。急いで最新版を印刷すると、同じものが出てくるわけじゃないですか。
ところが、その全く同じものを見ても、全然比較できない。頭が混濁してしまっていて、同じようにも違うようにも見えてしまう。生徒の名前も来賓の名前も初めて見るような気がしてしまう。
ピンチに強いと自負する私もさすがにパニックになりそうだったのですが…ん?ちょっと待てよ…と、今思えば「天の声」ですね。これは自分がおかしいのだ、原稿を信じてとにかくそれに忠実に読め、と。
走って会場に戻るともう開式10分前。今、これが卒業式なのか入学式なのかさえ分からない状況の中、とにかく原稿を読もうと。
ま、終わってみればそれが正解だったのですね。天の声に救われました。自我にこだわっていたら、おそらくパニクっていたことでしょう。厳粛な式典もめちゃくちゃになっていたかも(ああ、恐ろしい)。
自分が司会をしていた記憶は全くないのですが、周囲に聞いてみると、普通にやっていたと。ああ、危ない危ない。正直いうと、自分の娘やカミさんがいることなど全く忘れてました(笑)。ごめん、家族よ。
プロレスラーは、試合途中に記憶を失っても、しっかり戦い続けます。今日はそんな体験をさせていただきました。神がかり、いや仏がかりの一日でありました。まさに雪月花に酔って夢の中で司会をしていたような感じです(笑)。
と、自分のことはいいとして、入学した皆さん、これから頑張りましょう!よろしく!
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