そこまで言って委員会 NP 『 教科書検定SP』
個人的には非常にタイムリーな番組でした。
高校の教員から中学校の教員になって何が大変だったかというと、まずは教科書に関する様々な手続きです。
高校は基本毎年採択して、生徒がお金を持って指定の本屋さんに買いに行くという形ですよね。ところが小中学校は無償で給与されるじゃないですか。つまり税金で買っていただいている。だから非常に面倒な手続きがあるんです。
今年は4年に一度の教科書採択の年。義務教育における、この4年に一度という慣行には問題があると思っています。まあ公立はそれでもいいけれども、私学は別に毎年変えてもいいじゃないですか。ということで、3年前に県の担当者とちょいとやりあいました(今思えば先方にとっては無理な相談でしたが)。
ご存知のとおり、その採択権は公立においては地区の教育委員会にあると言いますが、その「委員会」は「そこまで言って委員会」ではなく、ほとんど「何も言わなくて委員会」状態です(苦笑)。
私学では学校長に採択権があるという形になっていますが、実質的には現場の教員に任されているのが実態でしょう。
採択の年に毎度問題になるのは、やはり歴史の教科書ですね。ウチの中学なんかは、たとえば今回で言うなら、育鵬社と学び舎の2冊を生徒に渡して比較しながら授業したいところですが、さすがにそれは無理です。あくまで国民の税金で買っていただいているわけですからね、1冊でも無駄が出ないようにチェックが厳しい。
高校では1教科に対して2種類の教科書を選ぶのは不可能ではないと思います。しかし、実際は難しいでしょう。なんで2冊も買うんだとクレームが入りそう。
今日のこの番組でも取り上げられたのは社会科の教科書がほとんど。いずれも外国との関係から問題が生じている。これもまあ変な話ですよね。近隣諸国条項とか世界に3カ国しかないし(てか、日本以外にもあるんだ)。
もちろん、和の国日本らしいとも言えますが、そうそう、番組の中で話題になった「国譲り」の価値は、私の考え方と同じでした。
あっそうだ。その国譲りについても熱く語っていた竹田恒泰さん、番組の中で結婚を発表しましたね。おめでとうございます。去年の7月一緒に飲んだ時、ちょいと結婚の話も出ましたが、その時は「いや全然…忙しすぎて」という感じでしたが、その後出会いがあったんでしょうかね。
たとえばその竹田さんがテレビで人気者になったり、この番組の視聴率が高かったり、世の中は「保守」の傾向を強めています。これは戦後左傾化の揺り戻しなので、別に心配する必要はありませんね。
おそらくは日本の歴史はそうしたダイナミックなうねりの中で動いてきたに違いない。そのたびに、様々な論争が起きて、忘れかけていた過去が掘り出されるんです。そうして、歴史は継承されていくし、解釈されていく。歴史というシステムにインストールされた機能なのです。
私自身の中にもそうした波があります。右か左かで言うなら、一時期右に振れていた頃に比べると、また左に傾きつつあり、つまり真ん中を目指して動いているところであります。
戦後左翼がそうであったように、人間は外的な力によって、自分の中の振り子を振られると、その振り幅が大きければ大きいほど、その反動も大きくなる。しかし、またその揺り戻しも起きます。
長年そうした揺れを経験するうちに、だんだん真ん中に落ち着いてくるものです。それを無理やりどちらかに固定してしまう人たちをよく見かけますが、それだと一生かかってもなかなか真ん中に近づけません。
そういう意味では、子どもたちの振り子を左右に思いっきり振ってやることも教育の一つなのかもしれませんね。
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