『米英の内情を衝く』 (昭和17年 朝日新聞社)
安倍総理の訪米。明日は主権回復の日。あさっては昭和天皇誕生日。
近過去における日米関係をいろいろ考える良い機会です。
そんな中、知人から「朝日新聞を消せ!」という興味深い本を借りることができました。
個人的には朝日新聞さんにはお世話になったことも多々あり、また、かつての論説主幹が友人であったこともありまして(つまり義理があるので)、まあこの本に書かれていることはほとんど正しいと分かっていても、やはり人情的にはここまで過激に「消せ!」とまでは言えないワタクシがおります(苦笑)。
最近ではすっかり「反日ジャーナリズム」の代表格に祭り上げられている朝日新聞でありますが、皆さんご存知のとおり、戦前、戦中は国民の戦意高揚のために大活躍(?)しておりました。
新聞の紙面でももちろんのこと、一般書籍においても、今「消せ!」と叫んでいる方々が逆に大喜びするような素晴らしい(?)内容のものを多数発行しております。
それらの一部は、今では国会図書館の近代デジタルライブラリーで読むことができます。
今日はそんな中でも、ちょっと面白いページを見つけてしまったので紹介します。
その名も「米国の戦争文化と反日ジャーナリズム」(こちら)。
そう、つまり昭和17年の朝日新聞が、アメリカにおける「反日ジャーナリズム」を、実名を挙げて紹介、批判しているわけです。
まあ、それ自体は別に当時としては当然のことであり、他の新聞社もことごとく「反米(反英)ジャーナリズム」だったわけですから、朝日だけを非難できません。
ただ、私はこの「反日ジャーナリズム」という言葉がこの時代に使われていたということに非常に興味を持ったわけです。
最近も誰か偉い人が「今どき『反日』なんていう言葉を使うのは時代錯誤も甚だしい」というような内容の文章を書いていましたが、私も実は「反日」という言葉を日本人や日本国内の組織に対して使うことに対しては、ちょっとした違和感を抱いていました。
ちなみに、そのように身内に対して「反日」という言葉を使い始めたのは戦後、それも比較的最近のことのようです。
具体的には、左翼花盛りの頃、一部の過激派たちが「反日」を自称して国内テロを繰り返していたんですね。そういう言葉を今では保守派がリベラルを攻撃する際にまで使っている。言葉の歴史に興味を持つワタクシなどからすれば、これらの流れは非常に面白いものがあります。1本論文書けるかな。
と、そんなわけで、最近のいくつかの記事の内容にも通じますが、日本人はどうも近過去を忘れてコロコロ言葉の解釈を変えてしまう傾向があるんですよね。過去にこだわり続けるどこかの国の人たちとはずいぶん違いますし、今しか考えないどこかの国の人々ともかなり違いますね(笑)。
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