『レンタネコ』 荻上直子監督作品
今日は我が中学の卒業式でした。ドタバタ学年らしい最後の最後まで奇跡の連続ドラマの最終回でありました。涙、涙。なんか非日常だなあ…。
日常の非日常ということで言えば、この映画。好きですね、こういうの。
実は私よりも先に、この春小学校を卒業する下の娘がこれを観て、「あ〜、面白かった」と言っていたので、私も負けじと(?)観てみたのであります。
下の娘、卒業アルバムの将来の夢に「映画製作のかかわる仕事につく」とか書いちゃう、自称映画マニアであります。
洋画、邦画、新旧、実写アニメ問わず、なんでも面白がって観るのですが、こういうまったりした、ある意味いかにも日本映画的な映画はあまり観ていないように見えるので、どういう反応するかなと思ったら、けっこうはまっていたようです。
ま、ウチも猫好きの多頭飼いですから、猫が画面に出てくるだけでも、ストーリーやキャストそっちのけで「可愛い〜」となってしまうクチであります。ちなみに上の娘は映画をじっくり観ることができないタチ。ドラマもダメ、小説もダメ。音楽一筋という感じ。
そんな両親や姉とは違って、下の娘はけっこう冷静に作品を観ていました。なるほど、
もうすでに「作る側」の視点に立っているのでしょうか。
猫も重要な登場人物(?)ということで、偶然性や他者性が強くなるじゃないですか。CGとは正反対の世界。すなわち、人間の脳内のコトではなく、不随意性のモノ世界。
結局は、そういう意味での「非日常性」というモノに感動するというか、しみじみ涙するのが日本人なんでしょうね。
たとえば小津安二郎の映画なんかも、特に盛り上がりもない淡々とした日常のように言われることがありますが、あれだって、どこが日常なのか。どう考えても非日常ですよね。
コトを窮めてコトに至るのが西欧文明だとすれば、コトを窮めてモノに至るのが日本文化の特徴なのです。
そういうモノ性の象徴が猫。犬は思い通りになるところの多いコト性の高い動物。猫は日常に寄り添ってくる非日常なんですよね。
というわけで、実は全編観られますので、皆さんもそんな虚実皮膜の面白みを味わってみてください。監督さん自身の脚本も、そういう意味で見事ですね。役者たちも良し。猫たちはもっと良し。
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