自らの短所に鞭打つ
今日は我が高校の卒業式でした。教え子たちは立派に卒業していきました。
私は司会。卒業式の司会は初めてでしたが、なんとか無事乗り切りました。2時間以上立ちっぱなしはきつかったけれど。
さて、毎年大変ためになるお話をしてくださる、本校名誉校長、正眼寺の山川宗玄老師。今年もまたなるほどと思う「法話」を語ってくださりました。
ちなみに昨年は天命は人事を尽くすを待つ、一昨年は過去は滓(カス)。
今年は未年ということで、「荘子」にある羊に関する一節を紹介してくださりました。
善養生者若牧羊然。視其後者而鞭之。
(善く生を養ふ者は羊を牧するが若く然り。其の遅るる者を視て之を鞭つ)
荘子の外篇、達生の一節だそうです。老師曰く、「人生をよく大切にする者は、羊を飼うようにするのが良い。群れから遅れている羊を見て、これを鞭打つのである」と。
つまり、自分の遅れている点、すなわち短所や欠点に目をつぶらず、それを改善するべく自分に厳しくせよということですね。
なるほど、たとえば最近では学校でも「長所を伸ばす」ということばかりが言われ、短所や欠点をなんとかするということがなおざりにされているかもしれませんね。
自分自身を顧みても、たしかに短所を見ないようにしてきたかもしれませんし、もう半世紀以上生きているとですね、ある意味あきらめちゃったというか、もうこの短所は直らないななどと思ってしまうものです。
そんなわけで、今日は司会をしながら、老師のお話をうかがって心に何かが刺さったような気がしまして、動揺しちゃったのか、そのあと少し噛んでしまいました(苦笑)。
自分を客観的に「養」「牧」するという時点で、すでに離見の見と言いますか、メタ・ビューというか、ある意味禅的な境地ですよね。まずそこに至るのが大変。自我への執着を捨てなければ、客観的に自分を見ることができませんし、もちろん自他不二にもなれません。
また、教員として、他者(生徒)の生を大切にするために、まさに「愛のムチ」を持っていないといけませんね。その点に関しても反省しなければならないこの頃であります。
卒業生たちは、この法話(戒辞)に何を感じ、何を学んだか分かりませんが、ぜひ、自分の短所としっかり向き合って、社会で頑張ってもらいたいですね。たしかに、いくら長所があっても、短所がその足を引っ張ってしまっては仕方ありませんから。私ももう一度、苦手を克服するよう頑張ってみます。
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