国譲りとプロレス(プロレスの日にちなんで)
今日はプロレスの日(だそうです)。
61年前の昭和29年今日2月19日、初のプロレス国際試合、力道山・木村組対シャープ兄弟の試合が蔵前国技館で行われました。
なんだかネットでは昭和30年ということになっていますが、29年ですよね。
この時は三日連続の蔵前興行。初日は日本テレビとNHKが中継。街頭テレビに2万人が集まったという伝説がありますね。
下の動画はその二日後(21日)の同じ対戦カード。
この時から60年以上が経ち、まあプロレス界もいろいろ盛衰がありましたね。
そして、近年のプロレスプーム再来。なんとも感慨深いものがあります。
今日も、録画してあった2月15日にさいたまスーパーアリーナで行われたDDTの興行を観ました。上の動画と比べると、たしかにプロレスは変わりました。人によっては「ダメになった」と言うかもしれませんが、私は純粋に「進化した」と評価したいと思います。
文化系プロレスを標榜するDDTを、私はけっこう昔から応援してきました。そう、プロレスは「文化」であり、神道的な儀式であると考えていますから(笑)。
そういう意味で、特に感慨深く、カミさんと涙を流しながら観たのは、「桜庭和志 vs スーパー・ササダンゴ・マシン」でした。
もう説明も不要だと思います。総合格闘家としてたまアリをも熱狂させたプロレスラー桜庭が、まさに神事のようなお芝居を見せてくれました。
考えてみると、ウチの家族は、格闘家桜庭にも、プロレスラーマッスル坂井にも直接お会いして、お話してるんですよね(笑)。まさか、その二人がこうして交わるとは、その頃は全く予想しませんでした。
まったく人生は、世の中は分かっているようで分からない。それこそ「プロレス」の世界観そのものでしょう。
最近では、地上波に飯伏幸太選手が出たり、あるいは「プ女子」の特集が組まれたり、本当に世の中が「プロレス的なるモノ」を欲している感じがしますね。ようやく戻ってきたということでしょう。
新自由主義的な「我よし」「強いもの勝ち」な世界ではなく、まさに「荒魂による和魂の創生」という、日本の神道的な世界観の復活を望む日本人が増えているのでしょう。
今日、ある宗教家の方、アーティストの方々とじっくりお話する機会がありました。そこで、私は「国譲りの智恵」について語らせていただきました。
「国譲り」とは敗北ではない。負けて勝つ。表面的には負けているように見えるが、実際には自らの生き様、魂、志を強化し、延命するという高度な方法。
日本の歴史における多くの「国譲り」(たとえば太平洋戦争の敗戦)などは、まさにそういうモノです。
一度負けるという形を取って、しっかり相手の中に息づく。あるいは、最も大切なモノは無意識の領域に保存してしまう。そう、無意識への保存という智恵には、言語化されたり、意識化されたり、議論されたり、解釈されたりしませんから、最も時間の経過の影響を受けず原型をとどめることができる可能性を持っているのです。
そう考えると、プロレス自体も、ある時期総合格闘技やその他のスポーツや文化にその座を譲りました。しかし、こうして時が来るとしっかり蘇る。それも進化して。
まさに文化という生命体なのです。生命体だからこそ、それが我々の人生を象徴するわけです。面白いですね。
私はこれからもプロレスを応援し続けます。それが世界を、人間を、文化を、神道を応援することになると信じるからです。
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