『防衛大学校で、戦争と安全保障をどう学んだか』 杉井敦・星野了俊 (祥伝社新書)
今朝届きまして1時間ほどで読了。さわやかな読後感でありました。
戦争論にも安全保障論にも触れずに生きてきた(私のような)ほとんどの日本人にとって、非常に優れた入門書となることでしょう。
特に、全くのシロウトでありながら、仲小路彰の著作を読むにあたって「戦争学」を学ばねばと思っている者には、このくらいの本からその深奥部に踏み込んでいくのが良い。
仲小路は戦争学のエキスパートでもありました。地球平和について考えるには、戦争を知らねばならないという基本中の基本を当然理解していた人物でありました。
そう、なんだか語るのもいやなくらいなのですが、ただ「戦争反対!」と言っている人たちには本当にウンザリします。
たとえとしては適切ではないかもしれないけれども、病気になりたくなかったら病気について知る必要がありますよね。特にその原因については。「病気になりませんように」とか「健康でありますように」と祈っているだけではダメです。そんなことは当たり前すぎて、言うのもはずかしい。
しかし、たしかに戦後の日本においては、戦争について勉強することはほとんど許されないことであり、せいぜいマニアが趣味を極めて、個人的なレベルでそれについて語るくらいが実情でした。
国家レベルでの「戦争研究」はほとんどなされてこなかった。あえて言えば、それこそ防衛大学校の一部のマニア…いえいえそれは失礼だな(しかしそういう部分もなきにしもあらず)、一部の専門家だけが知りうる知識でした。
しかし、日本を取り囲む状況が疑いなく危険になってきている今、一般国民もいつまでもお花畑でいるわけにはいきません。
そういう意味で、私は安倍総理の様々な「刺激的な」言動や政策は、まさに必要なことであって、決して悪いことではないと思っています(もちろん私個人としては、結論的に安倍さんには賛成出来ないこと多数ですが)。
誰も戦争をしたいとは思いません。ならば戦争についてよく知り、それを防ぐ具体的な方法、現実的な方法を考えるべきです。病気と一緒です。人間のサガですから、戦争は。
ところどころに散りばめられている歴史的偉人の言葉、そして防大歴代総長の言葉には、いちいち首肯させられました。私たち国民も賢くならねばなりませんね。
私も「戦争学」の本を数冊買いましたので、本格的に勉強を始めます。
この本は高校生でもすんなり読めるレベルです。学校にもぜひ置きたいと思いました。皆さんにもおススメします。
ところで…この本を読んで、たとえば(なっちゃって)左翼の方々はどういう感想を持ち、どういう反論をするのでしょうか。というか、まず読まないか(苦笑)。
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