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2015.02.01

『日本人改造論-父親は自分のために生きろ』 ビートたけし (角川oneテーマ21新書)

Unknown 「本じゃ自分で自分を守りなさいって言っといて何の武器もよこさないから、向こうからいきなり銃とかつきつけられたら全然抵抗できない」「台風の日なんかに釣りやっててさ。船が助けに来てくれないもんだから自衛隊に救助されたなんてあるでしょ。オレだったら言っちゃうよ。こんなんもの死んじまえって。そんなもん見放しちゃえって」
 1999年に出版された本の再版ですが、このあたりのたけし節は、ここのところのイスラム国人質事件にも通じるところがありますね。同感です。
 あまり騒がないことですね。在外日本人の誘拐、殺害というのは毎年けっこうな数発生しています。特に特別に危険な地域に無防備で行くのは、たけしさんの言うように、冬山登山や台風の時に用水路を見に行くといったものと同じと思った方がいい。しょうがないねと。
 東日本大震災や御嶽山の時もそうでしたが、ああいうことがあって初めて気づくことは多いけれども、必要以上に恐れたり、萎縮したりする必要はありません。
 テロと自然災害をいっしょにするなと言われそうですが、日本人の災厄観ってずっとそんな感じだったんですよ。そこも大切にしなくては。
 この本で語られている「昭和の男」の話もそうです。昭和なんか今で言うテロや誘拐なんか日常茶飯事だった。私の少年時代の記憶もそんな感じ。高度経済成長期の東京で育ったんで。交通事故や公害も含めて、まるで自然災害のような理不尽な「死」が案外身近にあった。
 それでも外に出て遊ぶわけで、そこには子どもなりのある種の「覚悟」や「諦め」があったんですよ。
 ま、結局「平和ボケ」ということになるんでしょうか。いや、今回も大多数はあまり動揺してないのかな。マスコミが騒ぎすぎなだけか。
 私としては、イスラム国のおかげで(なんて書くと不謹慎になるのかな)、改めてイスラム教について、あるいは中東問題について勉強するようになりました。そういうタイミングだったのでしょうか。
 東京オリンピックのこともありますし、このあたりでこの問題をある程度片付けておく(すなわちイスラム諸国との友好関係をさらに深化させる)ことや、テロ対策(国民の意識も含めて)を現実化しておくことも必要でありましょう。
 ところで、このたびこの本が再販されるにあたって、あえて「父親は自分のために生きろ」を副題として選んだのは興味深いですね。初版のころには強調されなかった部分だと思います。
 それだけ、21世紀のパパたちは「子どものため」に生きているんでしょうね。ま、昭和のオヤジは「会社のため」でしたが。
 いずれにせよ、たけしさんの、ちょっとユニークな視点でありながら本質をえぐる話は、時代を超えた普遍性があります。1時間もあれば読めてしまいますが、心に残るモノは多いと思います。

Amazon 日本人改造論

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