彌榮(いやさか)と荒魂(あらみたま)
今日は静岡(焼津、藤枝)の親戚が集まりまして、恒例の新年会。今年も0歳から101歳(今月102歳)まで、総勢40名近くが集まって盛大に催されました。
0歳から101歳…これってホントにすごいことですね。1世紀以上ですから。大正、昭和、平成と、あらゆる世代が集まって飲めや歌えや笑えやの大宴会でありました。
こうした家族、親戚のつながりこそ、まさに日本の彌榮の象徴であります。私が唱えている「global familism」はこうした「和」「輪」の敷衍であります。地球上の全てがこうした「笑い」の中にあれば、きっと争いのない素晴らしい世の中になるにちがいないと信じております。
まずは日本全体がそのような「日本的家族主義」の国にならねばなりません。
それを祈るのが天皇陛下の役割です。そう、皆さんご存知のとおり、天皇陛下はこの年末年始、祈りのためのご公務(神事)を、それこそ睡眠時間を削ってなさってらっしゃいます。
私たちがこうしてゆるりと家族の絆を確認している間に、陛下は私たち民の幸福と国の彌榮を祈っておられるのです。ありがたいことですね。
ところで、この「いやさか」という言葉、どういう意味なのでしょうか。
これは分かりやすい現代の言葉で言うなら、「いよいよ栄える」というニュアンスですね。ますますそれぞれの家族、地方、国、世界の各国、各地域、そして地球が平和に豊かに栄えていく。
ちなみに祇園祭で有名な八坂神社の「やさか」も「いやさか」のことです。その八坂神社の祭神がスサノヲであるというのも面白いですね。
昨年の私のテーマであった「荒魂」の、そのルーツとも言えるスサノヲ。やはりそうした破壊をも恐れぬ推進力が、未来的な繁栄には必要なのでありましょう。きれいごとだけではダメ。
そう言えば、昨日の天皇陛下の年頭にあたってのご感想にも、そういう要素が含まれていましたね。
以下その全文です。
昨年は大雪や大雨、さらに御嶽山の噴火による災害で多くの人命が失われ、家族や住む家をなくした人々の気持ちを察しています。
また、東日本大震災からは四度目の冬になり、放射能汚染により、かつて住んだ土地に戻れずにいる人々や仮設住宅で厳しい冬を過ごす人々もいまだ多いことも案じられます。昨今の状況を思う時、それぞれの地域で人々が防災に関心を寄せ、地域を守っていくことが、いかに重要かということを感じています。
本年は終戦から70年という節目の年に当たります。多くの人々が亡くなった戦争でした。各戦場で亡くなった人々、広島、長崎の原爆、東京を始めとする各都市の爆撃などにより亡くなった人々の数は誠に多いものでした。この機会に、満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び、今後の日本のあり方を考えていくことが、今、極めて大切なことだと思っています。この一年が、我が国の人々、そして世界の人々にとり、幸せな年となることを心より祈ります。
(引用終わり)
大雪、大雨、噴火、地震、放射能汚染、戦争、原爆、爆撃、満州事変…これら「荒魂」に学ぶこと、なぜその「荒魂」が発動したのか考えること、そしてそれら否定するだけでなくどのように祀るのか。
天皇陛下はそういうことをおっしゃっているのだと思います。それが「彌榮」への唯一の道であることをご存知だからです。
きれいごとではないのです。それらを単純に否定したり、拒否したり、なければいいなあと願ったりするだけではないのです。
家族、親戚の中も、もちろん全てが平安平穏であったわけではありませんよね(今日も飲み過ぎで迷惑をかけたスサノヲが数人…笑)。時間をかけてでも、様々な出来事の前向きなプラスの意味を読み取っていかなければなりません。
日本とはそういう国であり、それこそが「いやさか」への唯一の道なのです。
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