『右翼と左翼はどうちがう?』 雨宮処凛 (河出文庫)
安倍総理がこちら(富士山)にいらしています。この寒い時期にいらっしゃるのは珍しい。
今日は富士霊園の岸家のお墓をお参りしたようです。これはワタクシ的には大変意味のあるできごとです。ほとんどの方には分からないでしょうけれども。5年後に分かるかも…です。
ちなみに富士霊園は静岡県の小山町ですが、実はあそこは山梨県の山中湖村平野の飛び地でもあります。山ひとつ越えると明神峠ですから(これがヒント)。
それこそ、安倍総理の一挙手一投足は、右翼にも左翼にも気になって仕方ないでしょう。久しぶりにそういう総理大臣が登場しましたね。いいことだと思います。
両方が気になるということは、実はその両方を超えたところ、あるいはその間の中空で物事が動いているということなのです。それが日本文化、歴史の特徴だったりします。
おとといでしたか、総理夫人の昭恵さんとちょっとメールで話しました。その結論は「右も左もないですよね(昭恵さん)」「右とか左とか、それこそ戦後レジームですよね(ワタクシ)」…こんな感じでした。
左右を弁証法的に超えるのではなく、その間の「無意識領域」、そうこの前の「100分 de 日本人論」でも斎藤環さんによって取り上げられていましたが、河合隼雄さんの「中空構造日本の深層」で明らかにされた「うつ」「うつほ」「うつわ」の領域です。
私の「国譲り理論」にもつながりますね。私や昭恵さんに言わせれば、右、左の方々は、あまりに「意識的」すぎるのです。
ま、それもまた人類、特に日本の進化の一過程として非常に重要だと思います。それをしっかり復習しながら確認できる良書が雨宮処凛さんのこの本です。
本当にわかりやすく腑に落ちる本ですよ。右翼と左翼といえば、以前、その名も「右翼と左翼」という本を紹介しましたけれども、あの時は、正直全然面白く読めなかった。真面目すぎたんですよね、あの本だと私には。
その点、この本はとにかく面白かった。目の前にリアルな映像が浮かぶ感じ。
この本は、基本14歳のために書かれているのですが、私のような世代、つまり左右以後の世代にとって非常に良い参考書です。
雨宮さんは私より10歳も年下ですが、左右以降世代としては同じ感覚を持っていると思います。同じ無意識を基底として、右翼、左翼を「追体験」しているという意味でも、けっこう近いのでは。
もちろん、私は雨宮さんのように具体的に右翼や左翼の組織に属して、具体的な行動(デモや街宣やバンド活動や執筆活動やボランティア活動)をしているわけではありませんが、どこかで、右に行ったり左に行ったり、ある意味では両方に共感があって、物分りの良い、そしてちょっとずるい感性を持っているということでは、やはり似ているのではないでしょうか。
ビートルズ解散後にビートルズにはまりつつ、ローリング・ストーンズも好きみたいな(笑)。
また、この本には、世代的にもホンモノの(?)活動家の方々の言葉が載っているのがよい。それもいちおう今の14歳向けの言葉ですから、私にもちょうどいい(笑)。
結論として、右翼も左翼も、とにかく現状に問題意識があり、人の命や幸せな生活を真剣に考え、また国や世界のことを真剣に心配している、そして、本気で行動しているという意味では非常に似ている。これには思いっきり共感、同意しましたね。
その他大勢の「中空層」も、ワタクシ的には非常に重要なのですが、その無意識層はあくまで相対的に存在できるのであって、そういう意味では、非常に意識的な右翼も左翼もなくてはならない存在です。
今、以前とは明らかに違う形であるとはいえ、こうして左右が元気になりつつあるということは悪いことではないのです。
ずいぶん前に、我々が左右の手で大事に抱えているものとは…「エロ」という記事を書きましたが(笑)、実はこれって本質をついているかもしれませんね。左翼も右翼も「愛(エロス)」が人一倍強いですから。
「右も左もない」…この意味はこれからますます深くなっていくでしょう。右と左を乗り越えるのではなく、実は根本で統合していくことこそ大切なのかもしれません。
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