『99%の人が知らないこの世界の秘密 <彼ら>にだまされるな!』 内海聡 (イースト・プレス)
なぜか我が家で「グーミン」という言葉が一時的にはやりました。
その「グーミン」の生みの親と言ってもいいキチガイ医師(ご自身でそう言っています)内海聡さんの本を読む機会がありまして、まあ、なんというか、ため息が出てしまいましたよ。
最初に申しておきますが、私も立派な「グーミン」の一人であり、また一方で「グーミン」を卑下まではせずとも憐れみの目で見てしまう(すなわち自分をも憐れむ)、ちょっとキチガイっぽいところもある人間であります。
だからでしょうか、二重の意味で自家中毒的な症状を起こしてしまった。吐き気がする。
まあここに書かれていることは、一般的な「陰謀論」の内容として、ある程度知っていたり、聞いたことがあることばかりでした。
つまり、内海さんの情報収集能力というのが、私とそれほど違わないのであろうと推測されます。名前は明かせないがなんとなく特別な人脈を持っている感を出したり、肝心な主役を<彼ら>としてしまっているあたり、私のハッタリと似たり寄ったりな感じさえします(笑)。
もちろん、内海さん自身は自分の持っている情報、あるいは解釈は正しいと信じているのでしょうから、それらを基本面白がってしまっている私と議論したとしても、ずっと平行線のままでしょうね。
私の「陰謀論」に関する立場は、こちらやこちらに書いたとおりです。
きっと内海さんにもルサンチマンがあるのだろうなと、ある意味判官贔屓の目で見てしまう。ただ、この憐れみの目は、グーミンへのそれとは根本的に違いますよ。
私の周辺には、たとえばこうした陰謀、いや内海さん流に言うと「策謀」が実際にあると信じて行動している方もたくさんいますし、逆に全て否定して一笑に付してしまう方もいます。
それでも、(上記リンク先記事の繰り返しになりますが)私にとっては、その情報が本当であろうと嘘であろうと、それらがある人の未来への意思の原動力となり、実際の行動を喚起し、結果としてその人の「違った未来」を生むのであれば、やはり「歴史的な事実」ということになるのです。
そういう私の立ち位置がはたしてメタの視点なのか、キチガイを上回るモノ狂いのような立場なのか(笑)、私本人にはよく分かりませんけれども、ただやはり、グーミンとキチガイは同じ地平にいるようにしか見えないのは事実です(先ほど書いたように、両者を同じ憐れみの目で見ているのでありませんが)。
内海さんの上から目線の物言いも含めて、これはお笑いかなにかのエンターテインメントにしか、私には感じられませんでした。毒舌キャラ。それもお医者さんだし。
ま、いちおう専門の日本語学的にいうと、「よく似た日本語とヘブライ語」なんていう話はまさに噴飯物。使い古されたネタです。そう、全体的に使い古されたネタの再利用という感じ。そういう意味では古典的だったりして(笑)。
そういうギャップやドSや虚無主義な部分も含めた、総合的な面白さがたくさんの内海ファンを生み出しているのだと信じます。
そうであってほしいと思います。ハッタリお笑い芸人という意味では、ある意味同業者だと思いますので(笑)。
実は先日、カミさんが生内海センセイのお話を聞く機会があったんです。けっこう良かったと。この本に書いてあるような話はほとんどなく、まっとうな医療、食、教育の話だったようです。それだったら私も聞きたかったかも。
正しいことを言っていても、やはり「言い方」というのは大事ですし、その他のアヤシイ情報と玉石混交になってしまうと、残念なことになりかねません。
その点、(自分も含めて)反省すべき大人がたくさんいるような気がしてなりません。
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