2015 センター試験国語(その2…古典)
さて、昨日に続きセンター試験国語談義。
昨日書いたように、現代文はやたら「ぬるい」感じで、本校の生徒もけっこう点を取れたようです。センター利用で現代文を使う諸君にとってはラッキーでしょう。ま、全国みんなができていると思われるので、実はこういう時は要注意なんですが(昨年は逆のパターンでした)。
今日は「古典」。すなわち「古文」と「漢文」について簡単に書きましょう。
古文については去年かなり詳しく書いちゃいましたからね。その部分を再掲します。
2014 センター試験国語(その2…古文問1)
2014 センター試験国語(その3…古文問2・3・4)
今年も基本同じ解き方で始めました。そして、今回は現代文と漢文が楽ちんだったので、残った時間でじっくり解き直しました。
『夢の通ひ路物語』というマニアックな作品。ということは(題名を知らないということは)擬古文ですね。よって昨年の源氏ほどの読みにくさはないだろうと判断(平安の宮中というクローズド文学ではないということ)。
リード文を読むといかにも源氏物語の影響を受けたよくあるストーリーであることが分かります。ある意味取り組みやすい予感。
とはいえ、本文を読み始めるのではなく、私はいつものとおり7分間で、基本本文を読まずにできる問題をやる方法をとりました。
問1は単語の問題なので、本文を読む必要はなし。読むと逆に迷います。問2はbのところだけ傍線部の前の2行を読めばOK。問3は傍線部の前1行だけをしっかり逐語訳すればよし。問4も歌のあとを逐語訳してみると分かる。問5は傍線部の前1文の逐語訳…という感じで、結局は正確な逐語訳をする単語力(助動詞・助詞の訳を含む)ができれば本文読まなくても、最後の問6以外(43点分)は解けてしまうのです。
そして、今回のように余裕がある時は、全体を読んで問6に挑む。それまでの問いを断片的にやっているおかげで、それがヒントとなって全体のストーリーも取りやすくなります。
私はいつもこうしてやっているんですが、これを生徒にやらせようとすると意外にうまく行かない。それが悩みどころです。
さてさて、続いて漢文ですが、これがまた今年は簡単だった。あまりに基本的な句法、文法、単語の問題が続いているので、逆に「ひっかけか?」と思ってしまうほど。
問1もあえて本文を読まないで漢字の意味だけでやった方がいい。小説分野の問1も実はそうです。「本文での意味」と言われても、結局辞書の意味を超えることはできないからです。
問2も基本中の基本。1年生でもできる。問3も。ただ、正解が「4・4・4」と続くので心配になった生徒もいるのでは(笑)。
問4,5,6は本文を読めば全く問題なし。本文が分かりやすいので時間もそうかからないでしょう。
このように、古典に関しては、全文を読まないで解く問題と、読んでから解く問題とを、まずは峻別する能力が要求されますね。そして、時間を節約しつつ確実に点を稼ぐ。つまり、知識(暗記事項)問題なのか、文脈(内容理解)問題なのかを見抜く訓練(それほど難しくありません)をするのです。
現状のセンター試験では、このような方法が一番いいと思います。
いずれにせよ、今年は平均点高そうですね。それがすなわち良問ということではありませんが。
まあ、客観テスト(マーク式)で国語力を測るということ、そして、評論、小説、古文、漢文の全てが同じ配点(各50点)ということに無理があるんですよね。
そのへんのグチについては、こちらからいろいろとお読みください。
昨年、全国の国語科の教員は「針のむしろ」を味わいました。今年は今のところほっとしていることでしょう(逆に数学の教員が大変?)。別に何かが大きく変わったわけではありませんが、やっぱり平均点に関わらず、生徒が取った点数でセンセイは評価されるんですね。
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