2015 センター試験国語(その1…現代文)
ほとんど毎年の恒例となっております、ワタクシのセンター試験国語の分析。
分析というか、以前はほとんど文句ばっかりでしたよね。
まあ、私のライフワークの一つですな。まともな国語教育のため。子どもたちが国語嫌い(特に古文嫌い)にならないためです。結局は「国のため」。
ちなみに昨年のセンター国語についてもいろいろ言ってます。去年は平均点が100点を大きく下回る、そして満点者なしという「悪問」でした。
2014 センター試験国語(その1)
2014 センター試験国語(その2…古文問1)
2014 センター試験国語(その3…古文問2・3・4)
ほとんど言いたいこと書いてありますし、解答テクニックもけっこう披露しちゃってますね(書いたこと完全に忘れている)。
ということで、今年もまず全体的な印象について。
まず驚いたのが、現代文が評論、小説ともに「随想(随筆)」だったということです。それも現代的な随想。
えっ?あれが「随想」なのかと思われる方もいらっしゃるでしょうけれども、今までの出典からすれば、あれらは間違いなく「ぬるい」。
「ぬるい」ので高校生には取り組みやすかったことでしょう。私も「ぬるい」センセイなので、楽しく読んで楽しく解くことができました(特に「小説」の「随想」?は名文だと思いましたね)。
問いもそれほど難解ではなく、本文とのつき合わせの必要すらなかった(すなわち脳内の記憶で充分対応できた)ので、時間もそれほどかからなかったのでは。現代文満点の人、たくさんいるでしょう。逆に言えば9割超えでもそれほど喜べないかも。
昨年に比べると、ある意味「良心的」な問題だったと思いますが、一方でちょっと意地悪く解釈すると、「はたしてこの問題で大学で必要な国語力を測れるのか」という気もしますね。
大学とは、学術論文を読んで書く場所です。それに相応しい国語力があるのかを測るべきなのに、「ぬるい」随想が二つも出題された。それはそれで問題です。
「評論」という名の随想、佐々木敦さんの『未知との遭遇』ですが、なかなか面白い内容ではありました。「教えて君」と「教えてあげる君」か(笑)。ツッコミどころもありますけどね。
「小説」という名の随想、小池昌代『石を愛でる人』はですね、とにかく文章がうまかったですねえ。私の好きなタイプです(笑)。軽みとリズム感。内容も嫌いではない。
そうそう、私がギャーギャー騒いできたからかどうかは分かりませんが、今年も「短編小説の全文」が出題されました(4年連続かな)。少しは生徒のためになれたかなと思っています。
というわけで、ぜひ皆さんもこちらから両「随想」をお読みください。
なんだか今年の現代文はいろいろな意味で拍子抜け。昨年と比べると…なんだかなあ。子どもたち、やっぱり可哀想ですよ。
大の大人、というか、大学のセンセイたちが寄ってたかって作ってるはずなのに、なんでこうも「加減」が下手なんでしょうか。「いい(良い)加減」って難しいんですね。
明日は古典について書きます。
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