The Covers 『吉井和哉』 (NHK BSプレミアム)
吉井和哉さんのニュー・アルバムがもうすぐ発売です。今回は全曲カバー。それも昭和歌謡を中心とした選曲。
今までもライヴの中で昭和歌謡をカバーすることはありましたが、はたしてどんな出来になっているのか、とっても気になっているところでした。
というのは、ベテランによるカバーアルバムというのは、どっちに転ぶか分からないからなんです。なんとなくオリジナル曲に力がなくなっているから過去の他人の遺産にすがるという人もいるし、まさに自分の原点に回帰しつつ戦う人もいる。親にすがるか、親と真正面から戦うか…そんなイメージかなあ。
で、今回の吉井さんはどうなのか。どうだったのか。まだアルバム自体は発売前ですが、いち早く耳にした知り合いは「すごい!」と言っていましたし、なんと言っても選曲が(笑)。いや、ホントいい意味で笑っちゃいますよ。ティザーで確認してみてください。
だいいち、なんで「スピニング・トー・ホールド」で挟むかな(笑)。タイトルももちろんドリー・ファンク・ジュニアだし、ジャケット写真でもチャンピオン・ベルト抱えてるし(NWAのベルトではないようですが)。
で、発売の直前である今日、NHKのCoversに吉井さんが出演し、3曲を披露しました。
それが、まあ予想をかなり上回る素晴らしさ。カッコよさ。そして、なるほど感。う〜ん、さすがだ。
正直イエモンのネタばらしという感じにさえなっていた。昭和歌謡の原曲が、あまりにイエモンになっているので驚きました。なるほど、やっぱりそういうことだったんですね。
ある意味呉越同舟だった日本の歌謡曲と西洋のロックを、簡単に和解させてしまった。そこに新しさと懐かしさの同居する画期的なイエモンサウンドが生まれたわけですね。
それまで全く邦ロックを聴いていなかった(洋ロックのみだった)私が、突然のようにこっち側に引きこまれたのは、今思えば当然と言えば当然ですね。
それにしても、驚きました。今日の3曲、全く予想を裏切るような形で、そこにイエモン、吉井ワールドの原型を、ある意味露骨に見る(聴く)ことができました。なるほどすぎるほどなるほどでした。
そして、逆にその原点、ルーツがまたイエモン、吉井ワールドになってしまっている。言うなれば、親と戦うだけでなく、親の隠れた一面、現代性をも引き出してしまった、親もまた進化してしまった。
それが吉井さんの天才性でしょうね。そうそう、カバーでぴったり&引き出しちゃった例として、フジファブリックの「マリアとアマゾネス」のカバー、あれは親じゃなくて息子のそれを進化させてしまった。あまりにしっくりと。吉井さんってすごいなあ…。
一昨日の「ストーンズを語る夕べ」で大いに語ってくださったフォトグラファーの有賀さんは、吉井さんの写真も撮っておられます。最新の「音楽と人」も有賀さんのお仕事。ホント素晴らしい空気感の写真ですよ。ぜひご覧いただきたい。
全くご縁というのは不思議です。今年は、私も吉井さんとお会いする機会があり、なななんと、彼が中学の二つ下の後輩だったこと、同じ町内に住んでいたこと、あるいは超ローカルな貸しレコード屋の話や、学校の先生の話で盛り上がりました(笑)。
また、恥ずかしながらワタクシ一家も「歌謡曲バンドふじやま」をやっており、昭和歌謡の世界にどっぷり漬かっております。いろいろと共有できるモノがあるんですよね。
もうこれはニューアルバムを聴きこむしかありません。早く発売日が来ないかな〜。久しぶりにそういう気持ちになっております。
番組で吉井さんもおっしゃってましたが、いろいろ「感謝」ですし、だからこそ「挑戦」ですね。私も皆さんもまだまだこれからですよ!
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