「表悪裏善」の人…安田善次郎
今日は安田善次郎の誕生日。安田善次郎は安田財閥の祖であり、明治大正期の日本を代表する実業家です。
私は安田についてそれほど詳しくなかったし、特に興味を持っていたわけではありませんが、まったく不思議なことに、彼の誕生日に記事を書くことになりました。
先日、職場の数学の先生が「安田善次郎について講義しました」という連絡を下さりまして、それを観たところ急に思い出したことがあったのです。
それがなんとも不思議な符合と発見を導くに至ったと。まあ、とにかくその数学の先生の講義動画をご覧ください。ものすごく分かりやすい、優れた講義、プレゼンテーションですよ。長さもちょうどいい。
前編 ケチと言われた銀行王・安田善次郎
後編 表の顔はケチな大富豪、裏の顔は経済界の最後の砦!〜窮極の隠徳精神〜
どうでしたか。どちらかというと悪名高かった安田が、実は「陰徳の人」だったというのは、私にとっても新しい知見です。勉強になりました。
ところで、この動画を観た私は、講師の平井先生にあることを伝えました。それが先ほど言った「急に思い出したこと」だったのです。
安田善次郎が表向き悪人で、裏では実は善人だった…ん?どこかで聞いたことがあるような…いや、あれは「表善裏悪」、つまり、ここで語られている安田善次郎とは全く逆だった記憶が…。
そこでふと思い出したのが、「安田善次郎」ではなく「高田悪次郎」でした。
もちろん「安⇔高」「善⇔悪」というシャレというかパロディーです。そんな「高田悪次郎」はどこに登場しているのかというと、昨日も登場した出口王仁三郎が書いた「霊界物語」なのです。
またか、と思われるかもしれませんが、私にとって「霊界物語」を通して歴史を見るのは常道です(もちろんアカデミックな方法ではないということです)。
ということで、霊界物語の高田悪次郎を見てみましょう。
霊界物語の第52巻「真善美愛」卯の巻、第5篇「洗判無料」第二四章「応対盗」を読んでみてください。こちらでどうぞ。
ちょっと引用してみます。
『その方は高田悪次郎ではないか』『ハイ、私は表善裏悪の張本人、世界一の富豪にならうと思うて、随分活動致しました。しかしながら不慮の災難によつて、かやうな所へ迷ひ込み、誠に面目次第もございませぬ』『その杖は鉄ぢやないか、左様な物を、なぜこんな所まで持つて来るか』『これは鬼に鉄棒と申しまして、現界に居る時から、鬼の役を勤めて居りました。この鉄棒を以て、凡ての銀行会社を叩き壊し、皆一つに集めて巨万の富を積んだ唯一の武器でございますから、こればかりはどこまでも放すことは出来ませぬ』
あきらかに安田善次郎を意識した記述ですね。安田が暗殺されたのが大正10年。霊界物語のこの部分は大正12年の口述ですので、「不慮の災難」というのは暗殺されたということでしょうね。
ここでは、三大悪人として大原敬助、片山狂介、高田悪次郎が出てくるのですが、大原敬助は原敬、片山狂介は山縣有朋だと解釈されています。そして、高田悪次郎は安田善次郎がモデルになっているのはたしかでしょう。
しかし、ここで気づかねばならないのは、原、山縣とは違って、「安⇔高」「善⇔悪」という価値の逆転があるということです。
すなわち、「高田悪次郎」が「表善裏悪」だということはですね、「安田善次郎」は「表悪裏善」だということになるのです。
それが、今回の平井先生の講義の内容とピッタリ合っている。ケチとして悪名高かった安田善次郎は実は陰徳の人だった。つまり表向きは悪人だったが、裏では善人であったというわけです。
王仁三郎の残した暗号は常にこういうふうな気づきを与えてくれます。それも必要な時代に必要なところで、その謎解きを許すのです。それこそが世界最強の予言書、いや預言書だと言われるゆえんです。
高田悪次郎が私の頭のどこかに棲みついていたために、今、安田善次郎の本質、天命が明らかになったのです。さっそく、私も安田善次郎について勉強してみようと思います。
そして、霊界物語…全く理解できなくとも、暗記できなくとも、思いついた時に、パッと開けたページを読み続けるべきなのです。
講師の平井先生は数学の先生ですけれども、私も彼と話す時は政治や歴史の話、あるいは教育全般の話が多い。ま、考えてみると彼との縁もいろいろ不思議です。
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コメント
記事にして下さりありがとうございます。
私個人としては、安田講堂でもお世話になっていますので、因縁を感じます。
安田講堂は、正式名称が『東京大学大講堂』といって“安田”の名は入っていません。
それもこれも、安田善次郎が名前を出さずに寄付を申し出たからです。
しかし、安田暗殺の翌日に、東大の総長が安田の寄付だったと新聞に発表して、その功績が世に知られる事になります。
そして東大の中では安田講堂を通称にしようと決まりました。
今でも東大のシンボルとして時を刻み続けているのを見るたびに、どうか陰徳の精神が日本に残り続いてほしいと祈っています。
投稿: 平井 | 2014.11.27 10:38