追悼 高倉健さん
「往く道は精進にして、忍びて終わり悔いなし」…健さんが往きました。
私にとっては植木等さんと同じところにいらっしゃった高倉健さん。
植木さんは浄土真宗的ですが、高倉さんは禅的、いや密教的であったかもしれません。
昭和は遠くなりにけり…そう、昭和とは実は鎌倉時代以来の仏教時代だったのです。
森光子さん、森繁久彌さんと同じ11月10日が忌日だというのも因縁めいていますね。お三方とも、決して器用な役者さんではなかったと思います。ただただ、そのお人柄、人生が魅力を醸していた役者さんでした。
高倉健さんについては、2年前に書いた『プロフェッショナル 仕事の流儀 高倉健スペシャル』の記事をご覧ください。あらためて繰り返すつもりはありません。
冒頭に引用した「往く道は精進にして、忍びて終わり悔いなし」という健さんの座右の銘は、天台宗比叡山延暦寺の大阿闍梨であった酒井雄哉(ゆうさい)師のお言葉と聞きました。
酒井雄哉師は「一日一生」を説いておられました。修行していると一日が一生のように感じられる。健さんもきっとそういう生き方をなさっていたのでしょう。
だからこそ、どんな若いスタッフに対しても敬意や思いやりを忘れなかったのでしょう。一日一生ということは、明日がないということです。だからこそ明日伸ばしできない。感謝も思いやりも今日でなければならない。そういうことなのでしょう。
心よりお悔やみ申し上げるとともに、同じ男として少しでもあなたに近づけるよう精進いたします。
今日で一生が終わっても、はたして悔いはないのか。「忍ぶ」ということはどういうことなのか。自問自答が続きます。
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