疲れない男(棚橋弘至)
ここのところ昭和ノスタルジー的記事が続いていますね。
私にとっての昭和とは、歌謡曲、プロレス、映画であります。そして、そのいずれにも「ヤクザ」が関わっている。
文化としてのヤクザについては、今までもいろいろ語ってきました。そして、神道とヤクザの関係についても書いてきました。荒魂(あらみたま)の持つ役割ですね。
先日は親戚のおじさん(元小学校校長)と教育における荒魂の重要性について語り合いました。
最近、安倍内閣が批判を覚悟で勇ましいことを言ったり、あるいは皇室で出雲系の動きが顕著だったりするのは、これは現代にスサノヲ的な荒魂力が必要となっているからですね。
日本の祭がそうであるように、自然や神の荒魂を、私たち人間が上手に祭って、結果として和魂(にぎみたま)を召喚するというのが、日本人の信仰の基本構造であります。
その象徴が、音楽であったり、スポーツであったり、そしてプロレスであったりするわけです。
そのプロレスに関しまして、最近ちょっと面白いインタビュー記事を読みました。正直感動してしまったので、皆さんにも紹介しますね。
もともと私は新日本プロレスはあまり好きではない方でした。今では頭も柔らかくなってアントニオ猪木さんのプロレスや哲学の大ファンでありますが、若かりし頃はちょっとしたアンチでした(すなわち全日派)。
猪木さんの頃のストロングスタイルが時代の変化などから凋落の憂き目にあった中で、因習を破って棚橋選手がどちらかというとエンタメ路線を開拓し、結果として現在の新日の復活、隆盛を招きました。
最近では、先月両国大会のメインで棚橋選手を観ましたが、彼が内外の批判や圧力をはねのけてやってきた歴史を垣間見られ、ああいい選手だなと感じたものです。
そんな時代を動かしてきた棚橋選手が経済誌である東洋経済のインタビューを受けるというのも面白いですよね。しかし、読んでみると、たしかに彼は会社と顧客双方と戦って新しい時代を切り拓いたビジネスマンであることを納得させられます。
そして、プロレス自体が人生や社会を映すように、棚橋選手の人生もまた、私たちの目指すべき人生や社会や組織を教えてくれるような気がしましたね。
私が気に入ったのは(今までもずっと聞いてきた言葉ですが)「俺は疲れたことがない」というハッタリですね(笑)。私も今日からマネすることにしました。
最近の若者って挨拶代わりに「お疲れ様です」って言うじゃないですか。私はすごく抵抗があるんです。これからは棚橋選手の言葉を拝借して、こう言い返してやろうと思います。
「ああ、ありがとう。でも大丈夫。俺、疲れてないから」
かっこいいですね(笑)。「疲れてねえよ!」と言い返すんじゃない。
これに限らず、本当にためになる言葉、発想の宝庫でした。けっこう長いインタビューですが、ぜひ全部お読みください。プロレスに興味がない方にこそ読んでいただきたいと思います。
言霊論など、やっぱり日本古来の信仰に近い感性をお持ちだなと感じました。そして、柔和な中にある闘魂。内外との戦いに負けない荒魂。とても現代的でありながら、古風な男ですよ、棚橋選手は。
前編 「100年に1人の逸材」棚橋弘至のキャリア論
中編 棚橋選手の人脈術、「出会いに照れるな」
後編 棚橋選手は「冬の時代」をどう乗り越えたのか
私学もまさに冬の時代を迎えつつあります。私も「疲れない男」に生まれ変わって、内外の敵と闘いながら、全体として「和」を生み出していけるようになりたいと思います。
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