グラウプナー 『愛のシャコンヌ』
先日紹介したグラウプナーの秘曲が好評でしたので、今日はもっともっとマニアックなグラウプナーの作品をお届けします。
「愛のシャコンヌ」というのは私が勝手につけた名前です(笑)。
とは言え、テキトーにそう名づけたわけではなく、この楽曲の三つのソロ楽器が「トラヴェルソ・ダモーレ(愛の横笛)」、「オーボエ・ダモーレ(愛のオーボエ)」、そして「ヴィオラ・ダモーレ(愛のヴィオラ)」だからです。
ここまで「愛」を揃えた曲はほかにないと思います。昨年弾いたテレマンの三重協奏曲も、トラヴェルソはいちおう普通のトラヴェルソを指定したものでした。
ヴィオラ・ダモーレについてはいろいろ書いてきましたのでいいとして、オーボエ・ダモーレとトラヴェルソ・ダモーレ(フルート・ダモーレ)について少し説明しておきましょう。
両方ともA管、すなわち、普通のオーボエやフルートよりも数度低いのが特徴です。よって、深みのある温かい音がするんですね。それで「愛」なのだと思います。
グラウプナーは、そんな変わった楽器のためにたくさんの作品を残しています。そういう趣味だったのでしょうか。あるいは仕えたルートヴィヒ公らがそういう趣味だったのか。
そんなグラウプナー、当時の人気投票ではテレマン、ヘンデルに次いで第3位だったという話はこの前の記事にも書きましたが、7位だったバッハとはこんな因縁があります。
先代のライプツィヒのトーマス教会のカントル(音楽監督)であったクーナウが死去した際、同市はまず一番人気のテレマンに後継を依頼しました。しかし、大忙しで引く手あまただったテレマンはそれを断ります。次いでテレマン並みに人気のあったグラウプナーに白羽の矢を立てましたが、ルートヴィヒが手放さず、結局ダメ。それでしかたなく、かなり質は落ちるがバッハで我慢することにしたのです。
今では二人の評価は完全に逆転していますねえ。ナイショですが(笑)、私はバッハよりグラウプナーの方が好きですよ。
というか、グラウプナーはあまりにマニアックな編成の曲ばかり残したので、後世なかなか演奏できなかったのです。それで忘れ去られてしまった。最近ようやく復活の兆しがあるのです。
この「愛のシャコンヌ」も実にいい曲です。泣かせどころがたくさんある。バッハにはできませんね、こんなことは。
では、どうぞ。楽譜はこちらです。
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