御正体山の秘密
今日は文化の日。
文化の日は、昨年書いたように「天長節」すなわち明治天皇のお誕生日であります。
そんな日に私は、古きよき日本を取り戻そうとするある団体の会合に出席。そこではもちろん皇室も大切にしております。それどころか、ある意味では超皇室観というようなものもあるように感じました。もちろん、それは悪いことではなく、戦後の皇室観を超えるということであって、私も賛同するところであります。
代表の方ともいろいろと楽しい未来の話をさせていただき、会場をあとにした私は、都留市にある三輪神社を参拝いたしました。
そう、夏にこちらで紹介したお社です。
この神社は御正体山の登山口になっています。つまり、御正体山自体を御神体としているわけですね。本家の三輪山と同じです。
言うまでもなく三輪山の神様は大物主。大国主の「和魂」とされています。
夏の記事にも書いたとおり、お隣の杓子山はおそらくミシャグジ神。諏訪系と考えるならば、大国主の「荒魂」ということになりますから、ここには、出雲から分かれた二魂が合流しているとも言えるわけです。
御正体山や杓子山はもともと信仰の山です。富士山自体は登拝する山ではなく遥拝する山でしたから、信仰の「場」としての山は、富士山を取り巻く山々だったということになります。
富士山が世界文化遺産になるにあたって、そのあたりの事情はほとんど顧みられていないというのは大問題ですね。外国人はもちろん日本人さえも、山岳信仰、いや富士山信仰の本質を忘れてしまっている。
御正体山と言えば、何度か書いてきたように、今からちょうど10年前に皇太子さまが登頂されている山なのですね。なぜ、こんなマイナーなお山に登られたのか…謎と言われています。
皇太子さまは当然、この山が信仰の山、それも三輪山であり、かつ富士山遥拝の山であったことをご存知だったことでしょう。あるいは、お隣の杓子山の事情もご存知だったかもしれない。
そして、これはほとんど知る方がいらっしゃらないと思いますが、かの宮下文書によりますと、この御正体山には、隠れ南朝の仙洞御所があり、第98代長慶天皇が上皇として隠遁していたことになっているのです。もしかすると、皇太子さまはそのこともご存知だったかもしれませんね。
ところで、御正体山と言えば、江戸時代の妙心上人の即身成仏も有名な話です。御正体山で即身仏となった妙心のミイラは、明治の廃仏毀釈によって撤去され、今では故郷の岐阜県横蔵寺に安置されています。
先日紹介した岐阜の正眼寺で修行した妙心寺開山無相大師も、宮下文書によると御正体山に籠っていた時期があるようですので、岐阜というだけでなく「妙心」という僧名にも不思議な因縁を感じざるをえません。
なぜ、妙心が御正体山で入定したのか…たまたま通りかかって霊感を得たというのが定説ですが、どうもそんな単純なことではないような予感がしますね。
この秋に、私も御正体山登山をと思っていました。しかし、なんだか忙しくしているうちにシーズンも終わろうとしています。はたして私はいつこの山に登拝するのか、自分でもちょっと楽しみであります。
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