坂本九 『心の瞳』
今日は地元富士吉田市の小中学校親善音楽会がありました。本校も出演して全校合唱を2曲披露いたしました。
当地の中学校は伝統的に合唱教育が盛んです。あの志村正彦くんも「大地讃頌」をあそこで歌ったんですよね。
中学生が歌う合唱曲というのは、ある種の「痛さ」があり、自分が中学校の教員になる前(すなわち高校の教員をやっていた5年前まで)は、正直あまり好きな世界ではありませんでした。
しかし、実際に教え子たちが一生懸命歌ったいる様子を見るとやっぱり感動してしまうんですよね。
昨日もちょっと書きましたが、日本のロック世界は実は「中二病」なので、中学の合唱曲の影響を受けているんですよね。コード進行とか、歌詞とか。
感動する一方で、いろいろ悩みというか迷いも生まれます。先日、俳優座の俳優さんと話し、また昨日はプロのヴァイオリニストの方とも話し、今日も思ったんです。芸術と教育は案外相容れないなと。
というのは、学校の先生が教育的効果を考えて指導する、音楽、美術、演劇、文学、体育もかな、それらってプロの方々が目指すものと当然違うわけですよね。
だから、プロの方々をお呼びして指導してもらうと、いろいろ難しいことが起きてくる。
合唱も何を求めて指導すればいいのか、私なんか迷っちゃうわけですよ。ウチの学校は比較的芸術性を求めているわけですが、他校のほとんどは「男子がいかに大きい声を出すか」という基準で選ばれてきているような気さえする(あえて言っちゃいますが)。
この難しい問題について、我々教師はちゃんと考えないといけない。教育現場で行われている芸術指導に疑問を持ったりすべきなのに、中には「ここは学校だから」「教育だから」といって、芸術の本質から目を背けてしまう(自己満足に陥る)先生が多いことも事実です。
と、まあ大人に対する愚痴はいいとして、子どもたちは純粋に頑張っていたから良しと。
今日他校の演奏で心に残ったのは、「心の瞳」でした。楽曲として抜群に良かった。まあ、三木たかしさんの作曲ですからね(作詞は荒木とよひさ)。
この曲、坂本九さんが歌っていたんですよね…そして、九さんが最後に歌った曲。ご存知でしたか。
今から29年前の8月12日。日航ジャンボ機墜落事故によって亡くなった坂本九さん。彼がその日、東京で収録したラジオ番組で、「心の瞳」は歌われました。
こちらに書きましたとおり、偶然私は、墜落の瞬間の数少ない目撃者の一人となってしまいました。
あの閃光の中で、坂本九さんの歌は途切れてしまったのです。
最後の歌「心の歌」をもう一度、楽譜歌詞つきで聴きましょう。あらためてご冥福をお祈りします。
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