御嶽山と富士山
御嶽山の噴火によって命を落とされた方に心よりの哀悼の意を表したいと思います。
本来、山、特に火山は信仰の対象であり、一般人は遥拝こそすれ登るべきものではなかったのも事実ですが、一方で近代になって山がレジャーやスポーツの対象として開かれたことの意義も大きく、今回のようなことがあると、非常に複雑な気持ちになります。
私など、日本一の高さの火山である富士山の中腹に家を建てて住んでいるわけですし…。
ちなみに御嶽山は日本で二番目に高い火山ということになります。
御嶽山ももちろん信仰の山。教派神道の一つである御嶽教はこの山自体を御神体としています。
御嶽神社の祭神の第一は、あの時期の教派神道の一つのパターンに則り「国常立」ということになっています。
かの出口王仁三郎も、一時期大本の中で迫害されて御嶽教に出入りしていました。その時のことが霊界物語にこう記されています。喜楽というのは王仁三郎自身のことです。
『喜楽が御嶽教へは入いつたのは、御祭神が国常立命であるのと、将来神の道を布教するに付ついて見学のために、無報酬でつとめてゐたのである。(霊界物語38巻25章)』
今回、その御嶽教の建立したと思われる頂上近くの国常立命の石像の頭部が、噴石の衝突によるものか落下してしまったとのことです。
たしかにかなり衝撃的な映像ですよね。国祖の「みかしら」が落ちるとは…。
これがどのような意味を持つのか、人それぞれの感じ方、考え方があると思います。私はと言いますと、単純な凶兆としてはとらえていないのです。
私は先ほどの霊界物語や、その元ネタの一つである(と思われる)宮下文書(富士古文献)を読んできましたので、国祖国常立が「ノダチヒコ」と名を変えて富士山に降臨し世を統治するという流れを知っているからです。ちなみにそのような特殊な神話はその二つの文書にしか出てきません。
私としては、このたびの御嶽山の噴火と御頭落ちは、国常立の神威が富士山へ遷ることを意味していると感じているのです。
また、先ほど紹介した霊界物語の38巻というのは、ちょっと面白い意味があります。いわば長大な霊界物語の前半と後半を分けるような巻なのです。前半までは国常立命が主役、後半は神素盞嗚命(スサノオ)と、大きな転換点になっているんですね。
これはある意味では、大本の中心点がなおから王仁三郎へ移ることにも照応しています。
いずれにしても、御嶽山と国常立と富士山の物語は、大きな転換点を象徴しているのです。
御嶽山を北東方面から眺めると継子岳が正面に位置し、まるで富士山のような姿になります。地元では日和田富士と呼ばれているそうです。
もちろん地学的にも御嶽山と富士山には深い関係があります。御嶽山が噴火したからと言って、次は富士山というのはあまりに短絡的ですが、富士山も同様に生きている山、神山であることを忘れるなという警告であることもたしかでしょう。
富士山も登るのではなく遥拝する山に戻すべきなのかもしれませんね。そんな山の懐に棲みついてしまった私としては、富士山さまのご機嫌をうかがいながら(ラドン濃度などを計測しながら)、常に感謝と畏敬の念を忘れることなく、野立彦(農立比古)の御神意にかなう生き方をしていこうと思っています。
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