ミャンマーの寺子屋
昨夜、今朝と安倍昭恵さんからメールをいただきました。家内の事故の件などいろいろ心配させてしまい申し訳なく思っています。共通の知り合いでもあった江本勝さんのことや、シリアの件などの話をする中で、明日もミャンマー祭りがあるのでどうぞとお誘いをいただきました。
昭恵さんはミャンマー祭りの実行委員会の名誉会長です。そして、以前からミャンマーに寺子屋を作る活動をされています。午後行われるシンポジウムのテーマも「寺子屋」。仏教系の学校で教員をやっている私は行かねば、ですね。
祭の会場は東京芝増上寺。ヒマそうにしていた下の娘を「ポケモンセンター行こう」と誘い、さっそく出かけることにいたしました。
途中道が事故で混んでしまったこともあって、シンポジウム途中からの参加でしたが、いろいろと考えさせられることがありました。
考えてみると、私の学校も寺子屋が前身です。2年ほど前に、地元の古い公文書を手に入れて読んでいたところ、その寺子屋に関する記述を発見しました。
ミャンマーにも古くから寺子屋があります。公教育は基本無料ですが、教材費や制服代、給食費など、なんだかんだお金がかかるため、貧困層は学校に通わせることができないそうです。そういう家庭の子どもたちが通うのが寺子屋。お寺の一角で僧侶を中心にお勉強を教える姿は、まさに江戸時代日本の寺子屋と同じだそうです。
仏教と教育の関係はこうあったのでしょうし、今もこれからも基本的にはこうあるべきなのでしょう。
ウチの学校では、僧侶であった前理事長が昨年末に亡くなってのちに、僧籍を持っている教員が全くいなくなってしまいました(私はニセ坊主です)。
そういう意味では本来の建学の精神、教員が持つべき魂が危機にさらされているのです。
ミャンマーではある意味逆の問題が起きているそうです。僧侶を中心とした教員たちは、仏教の精神はしっかり理解し実践しているものの、一般的な教育に関しては素人であるケースが多く、結果として現場の教育レベルが保証されないとのこと。
一方でミャンマーの急速な近代化が、「古き良き」ものを消し去りつつあるという問題も。これは難しいですね。日本もよく言われるように、豊かになった一方、家庭、社会、学校、それぞれの教育現場で何かが失われてしまった。
ミャンマーに行くと、まさに「古き良き日本」を感じることができると、昭恵さんもおっしゃっていました。しかし、それは「みんなが貧しい」ということでもあります。
言い古された言葉になってしまいますが…経済的な豊かさと心の豊かさは両立できないのでしょうか。人類の大きな課題ですね。
ミャンマー(ビルマ)では旧日本兵19万人が亡くなったといいます。現地にも大きな被害があったことでしょう。戦争という悲劇的な関係を乗り越えて、ミャンマーは日本と未来的な関係を結んでいこうと考えてくれているそうです。
日本が上から目線でミャンマーに何かをしてあげるという感覚ではなく、両国が対等の関係で未来を切り拓いてくことが大切だという結論に、私も賛成です。
ウチの学校でも、寺子屋精神を教員が再共有しなければならないと思いました。まず私自身が学ぼうと思います。いつか近いうちに昭恵さんと一緒にミャンマーに行くことになるかもしれません。
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