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2014.10.23

『希望の牧場』 森絵都 (著), 吉田尚令 (イラスト) (岩崎書店)

Unknown 術の先生にいただきました。
 福島の原発事故後、立ち入り禁止区域の牧場にとどまり、売り物にならない牛たちの世話を続ける牛飼いの話。
 「希望の牧場 ふくしま」という浪江町に実在する牧場。
 代表者の吉澤さんの行動に関しては、それが正しいかどうか、あるいは意味のあることなのかは、いろいろな意見のあるところでしょう。
 ただ、それによって牛の命が保たれていること、すなわち人間の都合によって奪われるはずだった牛の生きる権利が(とりあえずは)奪われずにすんだということは、同じ生物として嬉しいことです。
 まずはそういう視点で感動していいのではないでしょうか。
 吉澤さんは、ある種政治的な活動家と見えないこともありませんが、そんな解釈も実に人間の都合に基づいたものです。牛にとっては単に餌をくれる優しい牛飼いさんなのですから。
 森さんの言葉もシンプルだからこそ強い。人の思いよりも牛の思いが伝わってくる。そこに吉田さんのイラストがまた素直でいいですね。やはりストレートな力強さを感じる。
 私がいろいろ言ってもしかたありません。ぜひお読みください。
 ウチのカミさんの実家では、長く肉牛を飼っていました。だからこそ分かることがあるようです。牛の気持ちとでも言いましょうか。この絵本を読んで号泣しておりました。
 なるほど。エサくってクソたれる。牛のリアリズムなのでありましょう。
 近く読み聞かせのイベントがあるので、私なりの表現で語ってみたいと思います。
 ちなみに、YouTubeに「希望の牧場」の動画がたくさんありますが、なぜか私にとっては絵本の方がリアルな感じがしました。先に絵本をお読みになることをおススメします。

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