「読み」と「語り」と「話し」と…
今日は某公立中へ赴いて「読み」の勉強会の講師。講師と言っても私は楽器を弾いただけですが。
知り合いの方が芥川の「蜘蛛の糸」を「語り」、そこに私が即興で音楽や効果音をつけるというパフォーマンスです。
語りの方とは久しぶりに合わせたのですが、お互い空気を読み合える仲なので、打ち合わせもほとんどなしでも、それなりになったと思います。こういうのって楽しいですね。
「朗読」「音読」「素読」と「語り」とは基本的に何かが違います。「〜読」というのはテキストに忠実でなければなりません。間違うと怒られる。
音楽で言うなら、楽譜通り弾けというやつで、逆にたとえば今日私がテキトー…ではなくて適当に弾いたモノは、もう二度と再現できませんし、楽譜化も困難でしょう。
全ての表現にはこういう二面性があって、それをしっかり使わけてたり、教えわけたりしなければなりません。
また、「読む」は文字情報の存在を前提としますが、「語る」はそうとは限らない。また、「読む」は一人でもできる行為ですが、「語る」は受け手が必ず必要ですね。
そうしますと、現代の教育現場では「読む」ことに重点が置かれているような気がしきます。そして、それが正しいことなのか、ちょっと不安にもなってきます。
テキストの正確な再現ということで言えば、これはまた別の研修での話なのですが、ある公立中学の先生が、新入生の学級びらきの時生徒に配るという資料を見せてくれまして、それがまああまりに見事な「マニュアル」であったのでビックリ。これを忠実に再現すれば、たしかにある意味素晴らしい生徒や学級や学校になるだろうなとは想像できましたけれども、これって本当に生きた人間に対する教育の方法なの?という疑問も湧きました。まるで工場の生産マニュアルのよう(苦笑)。
音楽で言えば、ガチガチのクラシックの演奏、あるいは無味乾燥な打ち込みという感じでしょうか。やっぱりジャズのアドリブみたいなのも大切ですよね。
世の中に出て必要なのは、案外アドリブ力だったりする。たとえばプレゼンをやるにしても、原稿を暗記していているようなのは全然相手の心を動かさない。そうですよね。
その場の空気を読んだりコントロールしたり、聴衆を巻き込んだりするには「語り」が必要です。
そういう意味で、私は演劇とは別に「コント部」を作ったのです。コントには厳密な台本はありません。シーンだけ覚えて何度もアドリブで練習するのです。たとえば相手の即興や間違いにも上手に対応していかなければならないし、お客さんの反応によって臨機応変にやっていかなければならない。実に高度な言語活動なのです。
…と、な公立の先生方にお話できる機会はなかなかないので、今日はそんな話もさせていただきました。
「お話」と言えば、柳田国男の「ハナシ」と「カタリ」の話を昔こちらに書きましたっけ。
今日の私の「お話」もまた、思いつきの、それこそ「話しっぱなし」だったわけですが、たしかに「語る」のは難しい。あんまり「語っちゃう」と痛いことになるし。
今日はなんとなく気づいたことを「書きっぱなし」た記事になってしまいました。
考えてみると、このブログもほとんどアドリブ、降りてきたモノを書きなぐっているという意味では、「ハナシ」ですね。「語り」にはなっていない。「騙り」にはなっているかもしれませんが(笑)。
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