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2014.09.24

「チンする」…日本人の造語能力!

Th__20140925_104833 日もニュースから。
 時々面白いネタを提供してくれる文化庁の「国語に関する世論調査」。今回は「チンする」などの動詞の新造語の使用率などが調査されたもよう。
 「チンする」は9割が日常的に使っているらしい。なるほど、「電子レンジで温める」という動詞は和語にはなかった。焼くとか煮るとか炒めるではありませんからね。
 で、誰かが「チンする」と言い始めたのが、とうとう標準語となったわけです。最初に言い出した人は誰だろう。偉大ですね。
 日本語は、このような新しい文化の登場によって必要となる言葉を作る能力に長けています。それが、外来文化をすぐに自分たちのモノにしてしまう日本文化の特長を生んでいるとも言えます。
 特に「動詞」の造語機能は非常に優れている。漢文の流入と読み下し(書き下し)文化の一般化によって「〜す(する)」というサ行変格活用動詞の一般化がもたらした影響は大きい。
 たとえば、今ではまるで純粋な日本語のように使われている「勉強する」とか「愛する」なども、もともとは「勉強」や「愛」という漢語に「す(する)」という和語を接続して造られた語です。「青春する」なんかもその例。
 それと同じような技で、明治以降に入ってきた欧米語を使って無数のサ変動詞が作られています。「キャッチする」とか「プロデュースする」とか「コミットする」とか…まあ、ぴったりするイメージの和語がないとか、あるいは日本語に訳すのが面倒くさいとか、はたまたカタカナ語の方がカッコイイとか、そんな理由でしょうね。
 ほかにも「コピる」、「パニクる」、「スタンバる」、「スタバる」など省略形もよく見かけます。
 中でも和語の傾向の影響からか、「外来語の名詞の略語+る」で「3拍」の動詞を作る文化は古くからありました。フランス語のサボタージュから「サボる」ができたり、最近では「ググる」とか「ディスる」とか。
 そうそう、「ダブる」は面白いですね。「double」がたまたま「る」で終わるし、片仮名読みすると3拍だったから、そのまんま日本語にしてしまった(笑)。
 ちょっと前には「宮崎に行く」ことを「ヒガシコクバる」と言う人たちもいましたっけ。これは拍数が多すぎて一般化しなかった…というかもういないし(笑)。
 同様に漢語に「る」をつけて動詞を作る文化も江戸時代くらいからありました。ニュースにも出ていた「痴話る」や、今でも使う「愚痴る」、「駄弁(だべ)る」などですね。現代では「事故る」も一般化しています。
 ちなみに「コケる」の語源ははっきりしていませんが、私は「虚仮」だと思っています(証拠なし)。
 漢語を省略して無理やり3拍にしたものもありますね。「告る」なんかがそうです。あるいは「キョドる(挙動不審な行動をとる)」
 ちょっと変わったところでは、「死ぬ」を「タヒる」と言うことがあります。そうそう、これもとうとう正式にニュース用語として使われた例を私は見つけました(タヒ体遺棄…笑)。
 そういえば「死ぬ」と「死す」の関係って面白いですよね。いちおう「しぬ」は和語、「しす」は漢語由来のサ変動詞と区別されていますが、和漢ともに「死」を「し」と読むわけですから、もしかすると、「死ぬ」も「漢語+ぬ」なのかもしれません。これは議論のあるところですが、もしそうだとすれは、最も古い「造語動詞」の例ということにありますね。
 ちなみに和語に「する」をつける例も多少あります。「心する」、「与する」、「全うする」、俗っぽいところでは「お茶する」、「早起きする」などなど。
 最近で面白いのは「神ってる」という言い方ですね。これはいちおう「神る」という動詞の存在が想定されているのでしょう。
 というわけで、これからもどんどん日本人は「造語る」のでしょう。皆さんも「チンする」のように、標準語化して辞書に載る新語を作ってみませんか。

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