『ジョン・レノンはなぜ神道に惹かれたのか』 加瀬英明 (祥伝社新書)
ジョン・レノンの奥様オノ・ヨーコさんのいとこでもある、外交評論家の加瀬英明さんのご著書。
タイトルが今流行りの「なぜ〜なのか」パターンとなっているので、ついついその端的な答えを期待してしまいますけれども、実際書かれている内容はもっと深いところまで到達しています。
いや、たしかにここに書かれている日本神道の優しさ、寛容さ、多様さこそが、ジョンがそれに惹かれた理由そのものでありましょうから、看板に偽りなしということですか。
ジョンの身近なところにいらっしゃった日本人の著書ということで、全編ジョンが主役として登場することを期待した方々にはやや物足りなさが残るでしょうか。なにせ、ジョンが登場するのは第一章のみと言っていいので。
しかし、それでも、ジョンが靖國神社や伊勢神宮を参拝した話、「オカゲサマデ」を世界で最も美しい言葉だと言っていたという話などは、日本大好きかつジョン大好きの私には充分にありがたい情報でありました。
加瀬さんは名曲「イマジン」の歌詞は日本の神道の世界であると断言していますが、私はさらに一歩進めて、「And no religion too 」の部分は、出口王仁三郎の「宗教がなくなる世がみろくの世だ」という思想の影響だと信じています。
実際、ジョンとヨーコは大本の本拠地、京都の亀岡にお忍びで宿泊しているんですよね。たまたまかもしれませんが、いや、たまたまではないな、意識しなくとも霊的に引かれたのでしょう。その時のことについてはこちらをご覧ください。
さて、この本、第一章以外では何が語られているかといいますと、世界中を股にかけた加瀬さんらしく、各国各地の宗教や文化と日本の神道や文化の比較であります。
それが私にとっては非常によくまとまった比較文化の教科書という感じで、非常に勉強になりました。恥ずかしながら知らなかったことがたくさん。やっぱり外国のこともちゃんと学ばねば。
そう、私、案外(?)世界史、日本史に弱いんですよ。特に世界史。中2が今、歴史で十字軍のあたりをやっているんですが、実はそのあたりよく分かっていなかった(汗)。
つまり、中学高校の頃は歴史や宗教に全く興味がなかったんですよね。共通一次の日本史も悲惨な成績でしたし(笑)。
今からもう一度勉強しなおそうかな。中学の教科書レベルから。
加瀬さんにも近々お会いする予感がしていますので、その際にはいろいろ教えていただきましょう。
さて、最後にジョンのイマジンをあらためて聴いてみましょう。
Amazon ジョン・レノンはなぜ神道に惹かれたのか
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