ダイドードリンコスペシャル『命のリレーを見つめて ~山中諏訪神社 安産祭り~』
地元YBS山梨放送で放映されました。山中諏訪神社の例大祭の熱気や本質が伝わってくるいい番組でした。
近くに住みながら実は一度も参加したこともないこのお祭りではありますが、今年は不思議と「諏訪」とご縁があり、この番組のタイミングにも偶然を超えた何かを感じないわけにはいきません。
5月には本家諏訪大社の御柱祭本見立てに参加させていただき、山中諏訪神社の奥宮祭の前々日には明神山山頂の奥宮に参拝し、奥宮祭当日にはそれこそ不思議なご縁で同神社の宮司さんとその息子さんにお会いしてお話をさせていただきました。そして、今日の放送。
番組では何組かの夫婦が主役になっていましたが、そのうちの一人が懐かしい教え子だったのにもびっくりしました。ああ、こいつもちゃんと旦那になり父親になってるんだなと。
諏訪と豊玉姫、そして安産祭り…ある意味、不自然な組み合わせのようにも感じます。しかし、私にとっては不思議と納得できるところもある。
諏訪と言えば表面的には建御名方命を祀っていますが、原初にはいわゆるミシャグジ信仰があったものと考えられています。
ミシャグジは蛇神であるとも言われ、また女性的な大地神であるとも言われています。山中諏訪神社の祭神、豊玉姫命は海神の娘ですが、山の神系の火遠理命と結婚して、今の皇室の先祖にあたる鵜葺草葺不合命を生んでいます。その際にワニや龍の姿になっとも言われ、その部分でミシャグジの蛇や龍とつながる部分がありますね。
山と海、男性と女性、国つ神と天つ神などの統合、和合が象徴的に見られるようにも思いますし、その結果としての「むすび(産霊)」が「安産」につながっているようにも感じます。
諏訪神社と浅間神社が並び建っていることも含めて、ここ山中湖にまさに「不二」の思想が実現しているのです。
おそらくはそのあたりを感得し、あるいは学び知り、かの仲小路彰も明神山を聖地として、また、富士山を和合や平和、そして女性文化の象徴と見なしたのでありましょう。
番組でも出てきました「御神歌」は興味深いですね。
諏訪の宮 御影(みかげ)さす 右龍(やりゅう)がいにも 左龍(さりゅう)がいにも もそろもそろげにもそろ
右を「や」と読むのは珍しい。もちろん「ゆう」の「Y」音からの転訛だと思いますが、「う」とならずに「や」になったのは「さ」の母音に引かれてのことでしょうか。
「がいにも」の部分の解釈もよく分かりません。「が・いに・も」とするならば、「いに」は「異に」で不思議に、人智を超えてという意味かもしれませんね。
「もそろ」は「申し候う」だと説明されていましたけれども、出雲風土記に「もそろもそろ」とあるように、「ゆっくりと」「しずしずと」という意味だと私は解釈しました。
「諏訪の神様のお姿が現れる。右龍も左龍も不思議なほどにゆっくりと本当にゆっくりと」というようなニュアンスではないかなと。
その他にもいろいろと思いつくことがありましたが、それはまた後日まとめたいと思います。来年こそはちゃんと参加したいと思います。
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