追悼 C.ホグウッドさん
哀しいニュースです。古楽の大家クリストファー・ホグウッドさんが亡くなりました。
私の35年に及ぶ古楽歴の中で最も長く大きな影響を与えた人物でした。第三次古楽ブームの牽引者であり、オリジナル楽器による演奏や解釈を現代に定着させた功績は、間違いなく後世に語り継がれるでしょう。
私も本当に彼の演奏(録音だけですが)を数限りなく聴いてきました。「軽い」と評された時もありましたが、それはある意味正統的であったということでもあります。
彼を追随する人たちは比較的「奇」に走ったところがありましたが、ホグウッド自身はあくまでオーソドックスな形での現代性を追求していたと思います。
そんなところに、若かりし私もちょっと物足りなさを感じた時がありました。しかし、今となってみると実に安心して聴くことができる随一の存在です。
私は彼の指揮、あるいは演奏するヘンデルが好きでした。やはりバッハではなくヘンデルでしたね。
特に最も良く聴き、自らの演奏の参考にしたのは「メサイア」でした。
1984年のライヴ。まずは有名な「ハレルヤ」だけどうぞ。
1995年でしたか、私も初めてメサイアをオリジナル楽器で全曲演奏しました。今では考えられませんが、コンサートマスターだったんですよね。ものすごいプレッシャーでした。
とにかく隅々まで知る必要がありましたから、毎日のようにホグウッドの録音を聴き続けました。甘酸っぱい青春(?)の思い出です。
そんな個人的な思い出にも浸りながら、またじっくりメサイア全曲を聴いてみたいと思います。
どうか安らかにお眠り下さい。ありがとうございました。
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