平沢峠(その2)
昨日の記事の続きです。
今思いました。地学的な発想と宗教的な発想って、結局一緒ですよね。
現代人は「理系」と「文系」みたいなアホな分け方をして、双方の距離を勝手に想定してしまいますが、もともとは一つですよね。どう考えても。
たとえば富士山のような自然の造形に対して、私たちはある種の信仰心を抱きますよね。日本における原初的な祭祀の場というのは、ほとんどが地学的な特異地なのです。
この平沢峠の「しし岩」も間違いなくそうだったでしょう。造形の不思議こそが、人間の力や想像を超えた「神」の存在予感そのものです。
晴れているのもいいのもですが、こうして霧に煙った磐座もいいですね。ますます神々しいではないですか。
昨日の記事に書いたように、地学的、力学的にも特殊な環境にあるこの地。特に太古はもっとダイナミックに生きていたと思われますから、人々は自然に対して強い畏怖の心を持ったことでしょうね。
生徒たちはそんなこと全く感じずワーワー騒いでおりますが(笑)。
さて、もう少し近い歴史ということで言いますと、この峠はまた違った興味のわく場所であります。少し離れたところにこんな案内板が。
なるほど、韮崎から佐久方面への古道か。諏訪、佐久、韮崎。この八ヶ岳、蓼科山を囲む三角形というのはなんとなく気になりますね。ミシャグジ的に。「サク」も「シャグ」と同源であるとも考えられます。
平沢峠から少し下りますと、「平賀源心の胴塚」というものがあります。
平賀源心(玄信)は武田晴信(信玄)16歳の時の初陣の相手とも伝えられています。その時、亡骸が重すぎて、この地で首を斬り落とし、胴体だけ埋葬したと言います。首塚は麓の若神子にあります。
首のない武将の幽霊とか出そうですよね。夜な夜な自分の首を探して彷徨うとか…生徒にそんなことを言ったら、ここでは大いに盛り上がりました(笑)。
峠には必ず物語があります。「峠マニア」がいるのも分かりますね。やはり、地学、地政学、歴史学、文学、宗教学は一つですなあ。
将来ヒマが出来たら、そういう総合的な旅をして日本中を回りたいなあと思いました。
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