『富士山巡礼の旅』 (富士五湖観光連盟)
夏休み前に学校に贈られてきまして、中学生全員に配布した小冊子。
これが非常にいい出来で、ぜひ皆さんにも読んでもらいたいと思ったのでここにおススメしますね。
富士山が世界文化遺産に登録され、それに便乗した観光案内本がたくさん出ましたが、どれも今ひとつな感じがしていたんですね。
しかし、この小冊子は、富士山の本質を捉えた素敵な文章と写真がしっかり詰まっており、非常に好感を持ちました。
たとえば、十一の巡礼「河口湖」の産屋ヶ崎を紹介した文章の中の次の一節。私の考える「不二」の本質を捉えてくれていると感じました。
(引用)
子どもの頃に知った様々な昔話も富士山の神さまも実は日本で最初に書かれた神話「古事記」のなかでは、すべて一つに繋がっている。紐解いてみると富士山の世界の裾野が日本の端々まで広がるようで面白い。
おそらく古代神話とは山、海、火、水、太陽といった自然信仰が元になって、その不思議さや素晴らしさを神々の物語りとして仕立てたのが始まりなのではないだろうか。
産屋ヶ崎に伝わる神話は、富士山の神様のもと海と山、水と火、女性と男性という異なる存在が一つに結ばれ新しい命が創造される物語だ。なるほど、安産の霊地。
神さまの物語が生まれた場所に、その後世この地に惹きつけられた先人たちの足跡が記されているのも偶然でないような気がする。富士山の奥深さに繋がる『産屋ヶ崎』のような場所が、この広い湖畔にはまだまだ隠れているかもしれない。
(引用終わり)
いいですよね。そのとおりです。対立するモノの統合の象徴としての「不二」。真実の比喩(神話)としての「不二」。
残念ながら、この小冊子は非売品。えぇなんで?という感じですよね。もちろんこうして無料で配布してくれるのもいいのですが、いろいろな観光スポットや駅やお店などで、500円くらいで売ればより広く読んで活用してもらえると思うのですが。
しかし、実はですね、もともとはこの小冊子の内容は、観光協会のホームページに掲載されたものだったのです。それを冊子化したと。
ですから、この冊子の内容は全てこちらで読むことができます。
とは言え、やはりこうした紙の本を片手に巡礼の旅をしたいじゃないですか。スマホ片手だと、なんか違う。
特に、この小冊子の全体的なデサイン(紙の質なども含めて)が秀逸なので、そのように思うのであります。
皆さんもぜひ、どこかで手に入れられるといいですね。まずは富士五湖観光連盟に連絡してみてはいかがでしょうか。
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