廣澤英雄師範(合気道)
今日はご縁があって、合気道の達人廣澤英雄さんにお会いする機会を得ました。
お話をうかがうだけでなく、実際に合気道の技(というべきなのでしょうか)を受けることもできました。
廣澤さんは、合気道開祖である植芝盛平の最晩年の内弟子。最後を見とった一人です。
出口王仁三郎つながりで合気道や植芝翁に興味のあった私ですが、今までなかなか実際に合気道を体験する機会がありませんでした。
それがいきなり最高レベルの境地に触れることができたわけですから、なんとも幸運なことであります。本当にご縁とはありがたいものです。
結論から言います。すごい。そして楽しい。気持ちいい。
この歳になって、初めて(久しぶりなのかも)、自分の体が自分でないような感覚。抜け殻のようになってしまって、他者に全て任せている状態。そしてその快感。
自分を手放してしまった時の身軽さ。気持ちの楽さ。
こういう世界があるのだなあと感心感激いたしました。
廣澤さんは、人間は球体であり、宇宙の一惑星であるとおっしゃっていました。なるほど、それは(今日たまたま集まった方々の共通の話題だった)仲小路彰のグローバリズム(地「球」主義)と重なる部分がありましたね。
禅の自他不二ともつながります。1対1では争い、戦い、競い合いになるが、なにしろ私の心は完全に廣澤さんの方に吸収されてしまっているので、結果として2対0。これでは戦いになりえません。
それこそが、合気道という武道が目指すモノそのものです。まさに「和」という文字の含む、「なごむ」「あえる」「やすらぐ」「くわえる」などの意味を全て含む状態です。
私が体験したことをご理解いただくために、秋田県で開かれた指導者対象の講習会の様子をご覧ください。
合気道についての解説としても優れたビデオだと思います。
え〜、やらせでしょう?八百長だよ!という感想が普通でしょうね。私も体験するまではそうでした。
しかし、植芝翁は「八百長に見えるようになるまで修練せよ」と言ったそうです。なるほど。
プロレス好きで八百長論もこのブログで存分語ってきた私としては、ある意味天地がひっくり返るような言葉でしたが、体験しますとものすごくよく分かる。まさに腑に落ちました。
自分の意識(心)が向こう側に行ってしまう瞬間。それは実はよく分かりません。よく分からないうちにそうなってしまっている。
ちなみに頭は明瞭です。いつもと変わりません。だからこそ、何が起きているか分からず、笑ってしまうのです。
自分を自分だと思い込んでいた自分のバカバカしさに思わず笑いが出てしまう。皆さんそうでした。
だから、とっても和やかな空気に満ちた場ができる。癒されます。
私のような全くのシロウトも、動画に出てくる合気道有段者も、ある意味廣澤さんの前では、完全に平等になってしまう。そんな気もします。
これは究極の武道だなと思いました。そして、いつも私が言っている「荒魂」をもって「和魂」を召喚するという、日本の神道の流儀そのものだなとも思いました。
また、私がこだわってきた「コト(自己)」よりも「モノ(他者)」ということを体現、体験できるものであると知りました。
いやはや、本当に人生変わりますね。身も心も軽くなったような気がします。
あまりにも簡単にそういうことをしてしまう廣澤さんではありますが、その境地に至るまでは、まさに命を懸けた修行や鍛錬があったそうです。そう簡単にはできないと。そして、生まれつきの「呼吸」「気」の才能も必要。
私たち凡人には計り知れない世界ではありますが、そういう世界がたしかにあるということを知れただけでも、十分に幸せでありました。
本当にありがとうございました。
自分の気の流れが変わったのか、潜在意識が変わったのか、実は講習が終ったあと、全く驚くべき偶然の出会いが、青山の道端で実現しました。
不思議すぎる出会い。たまたまそこを通り過ぎた人。全くの初対面でありましたが、なぜかすぐに意気投合し、「過去世で一緒に修行してたんでしょう!」と言い合うような仲になってしまいました。
その方とのこれからの展開も楽しみであります。
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コメント
合気道、10年ほど前に短期間習いました。7級取得(下から2番目の級)・演武会に参加、程度のことしかしていませんが…。でもとても興味深い体験でした。先生が今回書かれたのと近いことを感じました。
甲府には、グラップラーバキの登場人物のモデルになった方のお弟子さんがいらっしゃいます。人間的にもでっかい方でした。「人は年を取ったから丸くならないと、というがそれは違う。角を取るんじゃない。どんどんとんがっていいんです。たくさんたくさん角ができて、その結果丸くなるんです」その先生のおっしゃっていた言葉ですが、いくつになってもとんがっていいんだ!と目から鱗でした。
同門ということで、時々某芸能人さんと、奥様の演歌歌手の方がいらっしゃるとか……(私はそこで習いました)
投稿: A.I | 2014.08.24 15:00