富田メモ
今日の「たかじんのそこまで言って委員会」は極秘文書徹底解明スペシャルでした。いつにもまして面白かった。先日お会いした竹田恒泰さんのおっしゃっていたとおり、田原総一朗さんもずいぶん変わったなあ(笑)。
さてさて、「文書」それも「極秘」と来れば私の専門です。
いろいろな極秘文書が紹介されていた中で、私も意見を言いたくなったのは「富田メモ」でした。
様々な偽文書を目にしてきたワタクシからしますと、この「富田メモ」は明らかにそちらに属する類の文書です。
私はいろいろな文書をまずは国語学的な視点から読みます。いや決して学問的ではないな。内容よりも日本語の「空気」を読むんですよ。
そういう意味で、この富田メモを初めて読んだ時、「ああこれは陛下の言葉ではなく、誰か別の人の発言をメモしたものだな」と直観しました。
のちにいろいろな方も指摘していますが、まず違和感を抱いたのは「参拝」という言葉です。天皇陛下が神社に行き祈ることを、自ら「参拝」とは絶対に言いません。基本的に天皇は自らに尊敬語は使えど、謙譲語は使いません。これはかなり徹底されています。特に戦前に帝王学を学んだ昭和天皇が、間違った言葉遣いをするとは考えられません。
もう、その時点である種の「俗」を感じる文面なのです。だから、陛下ではない別の一般人の発言であると考えるのが妥当です。
千歩譲って(進んで?)陛下のお言葉という「設定」でメモされたものとしたら、それを捏造した人はかなりの俗人だと判断されます(つまり富田さんではない)。
さらに言うならば、「親の心子知らず」という言葉です。こうした慣用句というか俗諺も陛下にはそぐわない。ある意味下品です。
これも千歩はずれてですね、陛下が不用意に人を批判したり、何かに不快感を表したとしても、このような俗な表現はしないはずです。
もちろん戦後は、人間昭和天皇という一面もいろいろと紹介されていますが、こと先の大戦についての発言には我々が考える以上の気を遣われていたと考えられます。
このような観点からすると、この富田メモが、陛下のお言葉という「設定」で捏造されたものだとしたら、それこそ宮下文書や竹内文書のごとく、ある意味非常にレベルの低い「偽文書」であると認定しなければなりません。
そんなものにマスコミや学者たちが振り回されているとしたら、まさに宮下文書や竹内文書に振り回された戦前と同じ状況であり、私たちは全く成長進化していないということになりますね。
さすがにそうではないと思いたい。だとすると、このメモはやはり「昭和天皇以外の誰かの発言」であるということになる。では、いったい誰の発言なのか。
断言はできませんが、私は徳川前侍従長の発言ではないかと考えています。あくまで勘ですが。
非常に現実的な話として、A級戦犯合祀が政治的、外交的に面倒な問題に発展するというだろうという懸念を、徳川さんがメモのような言葉で表現するのは自然なことです。少なくとも、陛下の言葉とするよりも、ずっと自然ですよね。
日経が最初から「昭和天皇…不快感」として報道してしまったところから、案外こうした単純な視点が抜け落ちてしまいました。
ところで、昭和天皇は靖國神社やA級戦犯についてどのようなお考えをお持ちだったのでしょうか。そして、今はどのようにお考えなのでしょうか。
私はそれを知っています。昭和天皇から直接(!)、そして、ある意味陛下のライバルであった出口王仁三郎から間接的にうかがっております(笑)。
その内容については、3月1日の記事と5月24日の記事をご覧ください。
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