棚機津女(タナバタツヒメ)と富士吉田(明見)
今日は七夕。たなばたの起源や富士吉田の織物との関係などについては、ちょうど4年前、前回のワールドカップサッカーを見ながら書いたこちらの記事をお読みください。
今年は、その記事に名前だけ出てきた「棚機津女」について少し書きます。また、富士吉田との関係も出てきますよ。
日本で「七夕」を「たなばた」と読む、その起源になったと思われる「棚機津女」は、神様の名前というよりも「機を織って棚に置く女性」という意味の一般名であったと考えられます。
詳細は分かりませんが、日本には古来、7月6日の夜に、村で選ばれた少女が水辺で禊をして神様に献上する衣を織って奉納する(棚に置く)習慣があったようです。
その夜、神様はその衣を着て、そして翌日7月7日には天に帰っていく。その時、人間界の汚れや災厄も一緒に持って行ってくれるというわけです。
日本書紀には、ニニギノミコトがコノハナサクヤヒメと初めて会った時に、「あの機を織る少女は誰だ」と言ったとの記述があります。
ここから「木花咲耶姫=棚機津女」という信仰も生まれたものと思われます。
と、ここまで書いてきますと、私たち富士北麓住民として思いつくことがあります。機織り、水辺、禊、木花咲耶姫と来れば…「明見」ですよね。
そう、宮下文書(富士高天原伝説)の地、徐福伝説の地、富士山信仰の禊の場である明見湖のある地、織物業の盛んな地、明見(あすみ)。
先日、7月1日の富士山山開き裏神事の際、安倍昭恵さんを明見湖へご案内しました。隣に写っているのは宮下織物さん。現代の「棚機津女」です。
今、明見に徐福以来伝わっていたある織物の技術が絶えようとしています。それに関して昭恵さんが非常に興味を持ってくださり、保存へ向けていろいろと動いてくださっています。何かピンと来るものがあったようです。
昨年末の日・ASEAN特別首脳会議の時には、その技術で織られた最後の反物を使って宮下織物さんが作ったショールを、各国のファーストレディーにお持ち帰りいただきました。
そう、ここへ来て、「棚機津女」が復活せんと動き始めているのです。本当に不思議なタイミングでした。明らかに神さまの意志が働いています。
私は「棚機津女」の復活のお手伝いをしていこうと思っています。ご協力をお願い致します。
興味を持ってくださった方、ぜひご連絡ください。もちろん、今絶えんとしているその技術を学び、継承したい方も募っています。最後の伝承者(棚機津女)はまだお元気です。その方は半ば諦めていましたが、今は若い女性に継いでほしいと心から願っています。
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コメント
非常に興味深い内容です。私は生まれついての殺人的不器用なため、悔しいかな機織りはできないと思いますが、何らかの形でお手伝いできれば幸いです。
投稿: A.I | 2014.07.18 20:35