ai kuwabara trio project 『the Window』
昨日とは打って変わって日本の現代的ジャズ。
昨年の東京JAZZでの演奏をテレビで観まして、おおこれはなかなかいいぞ!と思ったトリオ。
プリミティヴな音楽も好きですが、こういうカッチリ構成された現代的な音楽も実は好きなワタクシでありました。
たとえばロックで言えば、プログレッシヴが好きでしたからね。
もちろんクラシック、バロックなんていうのも、構成美ですよね。若い時はやはりそういう「コト」世界に憧れたりするわけです。
私はいまだに中二病なので(笑)、今でもそういうのが好きなんですよね。そこに原始的な「モノ」世界への嗜好が加わったという感じでしょうか。まあ、どっちでもいいし、あるいはうまく組み合わさっているといいと。
まず、一つ前のアルバムの最終曲「LABORATORY」を聴いてみてください。途中に出てくるポリフォニーなソロかっこいいですね。バッハというかショスタコーヴィチっていう感じ。
桑原あいさんももちろんですが、ワタクシ的にはベースの森田悠介さんの知的なベースがいいですね。超絶技巧でありますが、なんというか、ちゃんと作曲されてるなというベースラインがカッコイイ。と思ったら、森田さん、作曲科のご出身なんですね。なるほど。
桑原さんもヤマハのエレクトーンの世界で鳴らしたコンポーザーです。
ある意味ではとてもヤマハ的とも言える(すなわち上原ひろみともかぶる)楽曲ですが、これは実は「日本的クラシック」であったりするわけです。純粋にドイツ由来とは言えない、もっといろいろな要素が溶け込み、なおかつ日本的に調理された感じ。
実は、私も幼少期にヤマハのエレクトーン教室に通っていたことがあったのですが(笑)、案外私の音楽的趣味はそこで養われたのかもしれませんね(今では反ヤマハみたいなこと書いてますけど)。
まあ、それはいいとして、今年4月に出た彼女らの3rdアルバムがまたカッコイイのであります。
ますます複雑化し、難解な感じになって、末期のプログレみたいになっている(笑)。しかし、たとえばフリー・ジャズみたいなことにはもちろんなっていなくて、すなわちヤマハ的に言っても、ちゃんと音楽理論、それもある意味古臭い西洋近代芸術音楽の範疇に収まっている。その中での挑戦という、そのスタンスが「カッコイイ」のであります。
う〜ん、ジャズというよりロックだと思うのは私だけでしょうか。黒より白ということですかね。
ということで、ニューアルバムから何曲かどうぞ。
ライヴで聴いてみたいトリオですね。
Amazon the Window
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