『幕末 戦慄の絆―和宮と有栖川宮熾仁、そして出口王仁三郎』 加治将一 (祥伝社)
先日、出口王仁三郎の曾孫である出口光さんらととある会議をした際、薦められた本。
さっそく注文して読んでみました。いやあ、たしかに面白い。ゾクゾクしっぱなし。
悲劇の皇女和宮の消えた左手首の行方を探ると、そこに浮かび上がってきたのは歴史の裏側の真実。
まさに驚愕の絆です。
小説という体裁をとっていますが、ほとんどドキュメンタリーであり、作者による歴史的新発見の発表の場となっています。
明治天皇すり替え説や、出口王仁三郎有栖川宮熾仁親王ご落胤説は昔からあります。しかし、それらがこれほど近いところでしっかり結びついていたとは。
たしかにこのような微妙な歴史問題について語るには、「物語」という体裁で偽装した方が安全ですね(笑)。
細かい内容については、ぜひともこの本を読んで確かめて下さい。
私は以前から、論理力のカリスマである出口汪さんのお父様、出口和明さんの著書を読んでいたので、王仁三郎が実は熾仁親王の息子であるという可能性について、かなり肯定的にとらえていました。今回、この本を読むことによって、さらにその意を強くしました。出口家にも実際その証拠が残っているとのことです。
明治維新にまつわる様々な「事件」は、当然その後の時代の皇室にも関係することですから、ずっとタブーとされてきました。
しかし、ここへ来ていよいよその封印が解かれる時が来ているなと感じます。
個人的には、「富士(不二)の仕組」の一つとして、「南北」も再統合されていくのではないかと思っています。
そう、最近も何回か書きましたとおり、政治や歴史や経済における「左右」「東西」、さらに宗教的な「荒魂」と「和魂」が統合されていくのはもちろん、皇統における「南北朝」も再び一つに和合していくのではないかと。
その鍵となるのが、「富士山」ではないかと真剣に考えています。
富士山には宮下文書があります。王仁三郎と宮下文書には不思議な因縁があります(こちらのインタビュー参照)。
そして、なぜか王仁三郎は生前富士山を訪れなかった。あれほど富士山(天教山)を重視し、あれほど全国を巡行しているのに…。
王仁三郎は北朝系、宮下文書は南朝系…そのあたりにその謎を解く鍵がありそうだなと、この本を読んで直観しました。
こうした歴史のタブーの裏側に横たわる「対立」を統合していくこと、それは「経緯(たてよこ)」を織りなしていくということにもつながると思います。
これは面白いことになってきましたよ。私がなんだかんだ30年以上にわたって、ここ富士山麓で王仁三郎と宮下文書を研究し、そして耀わん「十和田」をお預かりするまでになった理由が、なんとなく分かってきました。
王仁三郎が霊眼を開いたのは明治31年(1898年)の高熊山修行。富士浅間神社の祭神木花咲耶姫命の使いに導かれてのことです。2018年はその日から120年目を迎えることになります。
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