モーツァルト編曲によるバッハのフーガ
昨日づけの記事に登場した「脳ミソの悦楽」、バッハの音楽。
「コト」音楽もここまで窮めれば「モノ」に無限に漸近します。コトを窮めてモノに至るというやつですね。
そんな「コト」音楽にはまるには、ある程度の加齢が必要です。言語脳を使うからです。
モーツァルトはある時期から、そんな「コト」音楽にはまりはじめます。すなわち、大バッハのフーガにはまるんですね。
おそらくはバッハの息子たちの影響もあったのでしょう。一昔前にはやった…いや、大バッハの音楽はそんなにはやってなかったな…古臭い音楽にはまるというのは、また別の意味でもちょっと分かる気がする。
私がビートルズや美空ひばりにはまるようなものでしょうかね。近過去音楽。最先端の音楽になんか違和感を抱き、「昔は良かった、すごかった」的な思考になる。一種の中二病でしょう(笑)。
私も高校の頃からバッハの対位法にずいぶんのめり込んで、授業中、教科書に平均律のミニスコアを挟んで「読んで」いたりしましたっけ。
で、自分は鍵盤楽器が弾けないので、弦楽用に編曲したりしていた。楽しかったなあ。
それと同じことをかのモーツァルトもやっています。今日はそれを聴いてみましょう。
最近では「偽作」とも言われていますが、フーガを弦楽三重奏や四重奏に編曲して研究し、のちの自作のフーガ創造に活かしたのは事実でしょう。
ここで編曲されているのはバッハの平均律第1巻8番のフーガ。私の最も好きなフーガです。私も実はこれを弦楽三重奏に編曲したことがあります(モーツァルトもやっていたとは知らなかった)。とは言え、私もモーツァルトも全く同じくニ短調に移調して、ただヴァイオリンとヴィオラとチェロに3声を振り分けただけですが。
それにしても、このモーツァルトが作ったと伝えられる前奏曲はひどいですね(笑)。というわけで、いきなりフーガの部分をどうぞ。
実はつい最近、これを演奏しました。練習2回で人前で弾いたら、途中止まってしまいました。もちろん原因はヴィオラのワタクシにあります。最も好きで研究しつくしたくせに落ちました(苦笑)。ダメダメでした。
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