もう一つの富士山(その12)…富士山世界文化遺産登録から1年
昨年の今日、富士山が世界文化遺産に登録された日、私は埼玉県の小川町でもう一つの「富士山」に全く偶然に出会いました(こちらの記事参照)。
いや、それは偶然ではなく、記事の中にもあるように、諏訪と富士山を結ぶミッシング・リンクに導かれての必然であったのでしょう。
その後、諏訪と富士山の関係について多くを知ることになりました。
先日は諏訪大社御柱祭の本見立てに参加する機会も得ました。また、「吉田の火祭り」が諏訪神社の例大祭であり、地元には今でも諏訪信仰が生きていることも分かりました。
そして、このたび、木造としては日本一の大きさと言われる、北口本宮冨士浅間神社の大鳥居が60年ぶりに修繕されました。
言うまでもなく、この有名な、そして文化遺産の中心的構成資産である「上浅間」こそが、もともと諏訪神社であったわけです。
私はこの鳥居の修繕には大きな意味があると直観しています。
この諏訪神社が浅間神社になっていく過程の中には、当然江戸時代の富士講ブームがあったわけですが、実は近代においても一つの力学が働きました。それは戦争です。
「戦意高揚」ということであれば、武神であるタケミナカタを祀る諏訪神社が再興してもよいような気がしますけれども、実際にはその反対の動きになりました。
それは、こちらで紹介した富士講のカリスマ食行身禄に始まる「富士山の女性化」に関わっています。
「日本女性の鏡」としてのコノハナサクヤヒメ…すわなち、夫神であるニニギの子を懐妊した際、国津神の子ではないかと夫に疑われた際、燃え盛る富士山の火口へ身を投じて潔白を証明したという物語を、日本国家が利用したということです。
「貞節を守った妻」「命をかけた夫への忠信」という別の物語が生まれてしまったわけですね。婦徳の象徴としての富士山…実際そのようなキャンペーンが繰り広げられたようです。
60年前の大鳥居修繕は1954年、昭和29年でした。まだ戦争の記憶が濃厚であった時期。自粛縮小されていた火祭りは従来の規模に戻っていましたが、人々の頭にこびりついた新たな物語はまだまだ生き続けていました。
しかし、今はもう違います。
私は、このたびの大鳥居の朱塗りの輝きを見た時、「ああ、諏訪の神様を再び迎え入れる準備はできたな」と思いました。
2年後の平成28年、諏訪大社の御柱祭が行われます。その年の吉田の火祭りは特別な意味を持つことになるでしょう。
そして、6年後の東京オリンピックの年、富士山は次元上昇します。つまり、天津神に譲られていたオオクニヌシの和魂と諏訪に幽閉されていたオオクニヌシの荒魂が再び出会い、まさに「不二」の山として復活するということです。
謎であった「不二の仕組」が明らかになります。「国譲り」と「不二」の経綸。その第一歩となる御神業を来週にも執り行なおうと思っています。ドキドキワクワクです。
ちなみに、今日世界文化遺産登録が決まった富岡製糸場でありますが、実はこれもまた諏訪と富士山と深い深い関係があります。それについてはまたいつか。
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