富山県の「おみあげ」
富山旅行のお土産をいくつか買いました。
お土産屋さんに左のようなポップが。ウチのカミさんがめざとく見つけて「間違ってる」とツッコミを入れていました。
いやいやどうして、これ、間違いとは言い切れないのであります(マニアックに言うとですが)。
「みやげ」の語源はあまりはっきりしていないのですが、16世紀の国語辞典や、17世紀のポルトガル人キリシタンが使った日葡辞書には「みあげ」と訓まれているので、おそらくは「みやげ」は訛りであって、もともとは「みあげ」であったと思われます。
そうすると、考えられるのはですね、「みあげ」は「御(美)上げ」であろうということです。
そう、「おみあげ」は、「おみくじ」が「御御籤」であるように、「御御上げ」だろうということですね。
たしかに「お土産」は誰かに上げるものです。つまり、かしこまって物品を頭上高く掲げて差し上げるもの。
こう考えるのは全く自然ですよね。
「あげ」だけなら「age」のままでしょうけれども、「みあげ」となるとですね、連呼してみるとわかると思いますが、発音が「miyage」となってしまう傾向があります。
とはいえ、たしかに現代語としては「みやげ」が正解ですから、この富山の(たぶん)女の子は間違ったということになるのでしょうね。
かと言って、間違っていますよなんて言うのは野暮です。でも、そのままさらしものにしておくのも悪い気がするし、こういう時ってどうすればいいんでしょうね。
まさか富山の方言もないでしょうし…。
というわけで、今日は学校で宿泊座禅の行事があるので、短めにこれで終りにします。
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