安房峠をくぐる
5日、6日と家族で富山へ行ってきました。主たる目的は一つだったのですが、途中いろいろと興味深いモノゴトに出会いましたので、少しずつ紹介していくことにします(一日分を一度に紹介すると大変長い記事になりそうなので)。
今日はまず「安房越え」ならぬ「安房くぐり」について書きましょう。今回は行きも帰りも安房峠道路を通りました。
当初は富山市にしか用がなかったので、もともとの計画では高速道路で新潟(上越)回りの予定でしたが、ご存知のとおり5月3日にちょうど安房峠あたりを震源に群発地震がありまして、それで「ああ、あそこ回った方が断然近いな」と気づき結局そこを通ることにしました。
上の地図を俯瞰すると分かる通り、富士山から富山へ行くには安房峠を越えるのが最短ルートです。
さすがに群発地震が収まらないなら、当初の遠回りルートにするつもりでした。しかし、とりあえず収まったようでしたから、では、地震の様子というか、お山のご機嫌もうかがいつつ通ってみようと思うに至ったと。得意の(?)地鎮の旅ですね。
結果として非常に素晴らしい体験ができましたので、群発地震様さまです。
5月3日の記事に書いたように、今回の北アルプス震源の群発地震は、太平洋プレートの圧力に反応したという一面と、神道の「荒魂(あらみたま)」が時機を見て発動したという一面とがあります。
私は科学の視点と霊的(科学の補集合)な視点の両方を大切にしている人間です。そのどちらか一方にこだわってばかりいると我々は宇宙の本質に近づけない、と考えているからです。
そういう意味で、安房峠というのは実に面白い。安房峠トンネルは、活火山を掘り抜いて造られた、世界的にも珍しいトンネルであると同時に、日本の東西を分断する壁に穴を開けたという霊的な意味を持つトンネルであります。
今までも何回か通ったことがあり、それなりに「雰囲気」を感じてきましたが、今回は地震のあとだったこともありますし、ちょうど「国譲り」や諏訪のことを考えていたり、東西の緩衝地帯としてのフォッサマグナについて書いたりしたあとだったので、いろいろとなるほどと思うことがありました。
非常に簡単に書いてしまいますと、日本アルプスの中でも特に火山活動の活発な飛騨山脈に、あえて人間が道を作ったところに大きな神話的意味があると感じたのです。
ちょっと話が逸れますが、私が反対というか憂慮しているリニアモーターカーの南アルプス貫通は、全く違う意味があります。
あのあたりはほとんど火山活動はありません。だから安心かというと、そうではないところが、ある意味非科学的な真実なのです。
日本人は、古来自然(神)の荒魂を祀り、鎮め、場合によっては刺激して、それらと上手につきあってきました。いつも私が言う「荒魂→和魂」という最強の哲学ですね。
おそらく西洋ならば、火山に穴を開けてその中を観光で通ろうなどとは思わないと思います。いや、実際そういうことがあったとしても、意識の上においては、「自然の脅威を制御制圧しよう」という発想であると思います。
ところが、日本では、観光自体が「祭」になっている。無意識的ではあるが、そうした自然の荒魂と和魂に共振し、またそこに畏怖や感謝の念を持つことが観光の目的になるわけですね。自らの無力さの確認のために壮大で強靭な自然の懐に飛び込む。
いや、あの安房トンネルや、その周辺の多くのトンネルを通ると、たしかに日本の技術はすごいと思いますよ。ただ、それさえもまるで自然のために捧げられたもののように感じたのです。
結果として、我々庶民はただあの峠越えを楽しむだけでなく、ある種非常に敬虔な気持ちになり、宗教的な体験をすることができるのです。
少なくとも私たち家族はそれを強く感じました。
また明日以降の記事に書こうと思いますが、安房峠の貫通には「国譲りのルート」が関わっています。なぜ、建御名方は新潟回りで信州入りしたのか。そして、なぜ諏訪にとどまったのか。
これは実際にその場に行ってみると、自然(神)そのものに教えてもらえる。そして、安房峠を越えることが許された現代において、私たち人間が気づくべきものとはなんなのか。
非常に面白いですよ。でも、長くなりそうなので、今日の記事はこのくらいにしておきます。
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