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2014.05.10

『永井一正 ポスター・ライフ 1957-2014』 富山県立近代美術館

Th_img_0571 、富山県立近代美術館で「永井一正 ポスター・ライフ」展が開催されています。
 5日、6日の富山行きの最大の目的は、この展覧会を観ることにありました。
 日本を、いや世界を代表する永井一正さんとはまだ直接お会いしたことはありませんが、不思議なご縁があって、今、(畏れ多くも)霊的なラインで結ばれて、日本の、いや世界のデザインを変える一大事業に関わらんとしています(こちらの記事参照)。
 このたびのご縁を作ってくださった絵本作家の仁科幸子さんや、ファッションデザイナーの三宅一生さんらが招かれて行われたオープニングセレモニーの様子を、仁科さんより報告いただいた時から、これは絶対に富山に飛ばねばと思っておりました。
 写真からでさえ、その「デザインの力」を強く感じたのです。ぜひこれを生で拝見したい。デザインの力に直接打たれてみたい…。
 6日火曜日早朝、皇祖皇太神宮を参拝した私たち家族は、開館直後の美術館に入館いたしました。入り口を入ると正面に見えるイッセイ・ミヤケさんとのコラボ作品。人間(実際は人形ではありますが)がデザインをまとっている。
 遠くから見ると一瞬なにが描かれているか分からないのですが、しかし、強烈に私たちを誘ってきます。近づくと永井さんが近年さかんに表現されている動物のモチーフであることが分かります。
 そう、何か(モノ)の気配を感じて近づいたら、そこに動物がいたという感じ!この「気配」こそデザインの力だと思いました。絵画とは違う気配です。
 そうか、デザインはフェロモンを出して人を惹きつけるのか。
 そこからはもう本当に圧巻の「デザイン世界」。言葉以前のイコンたちにすっかり日常的な意識を破壊されてしまいました。
 私の「モノ・コト論」で言うならば、やはりデザインは「モノ」世界ですね。日常的に固定化された「コト」世界に侵入して生命を与えるモノです。
 そういう意味で、今回そうしたモノどもを観ながら、ふと妙な気づきがありました。
 絵画は文学に近いな。しかし、デザインは音楽だ。
 非常に変な話ですし、語弊があるかもしれませんが、デザインや音楽は動物にも分かるかもしれないと思ったのです。
 人間優位の西洋的価値観からすると、「サルでも分かる」というのは、ある種卑下表現になりますが、もちろん私はそんなことを言おうとしているではありません。
 おそらくは早朝から皇祖皇太神宮で、自然のデザインにあてられていたからでしょうね。そう、展覧会全体が深い深い森のような感じを受けたのです。
 森に抱かれた自分は、もしかすると人間(現代人)であることを忘れて、原初の姿に戻っているのかもしれない。
 だからこそ、デザインは人だけでなく、世界をも変えてしまう力を持っているのでしょう。
 来年春開通する富山新幹線ではありませんが、乗り物でさえ、デザインを極めていくとどこか森の動物のような姿になっていく。蛇のような姿がかっこ良く感じられてくる。
 面白いですね。
 それにしても、永井さんのデザイン、なぜあのような発想が湧いてくるのか、それこそ人間の頭で考えていると全く想像すらできません。
 おそらくは、永井さん自身が自然(高次元宇宙)とつながるミーディアムなのでしょう。だから、私たちは太古の感覚を思い出すし、それを未来的な想像力、創造力につなげることができる。
 グラフィックデザイナーの先駆けであったカッサンドルは、デザインの力を「強盗が斧を持って闖入する」と表現しました。これはもちろんお行儀のいい絵画の世界に対するレトリックですが、たしかにそのくらいの衝撃を一瞬で食らわせなければ、日常の空気は破壊できないのかもしれませんね。
 永井さんの「斧」で、この日本を、そして世界を変えてほしい。いや、変えてくださる。心からそう思いました。
 今回は仁科さんのご紹介で、副館長さまにも直接貴重なお話をうかがうことができました。なんともありがたく幸せなことです。ありがとうございました。
 皆さんにもぜひあの深い森でモノに打たれる経験をしていただきたいと思います(できれば皇祖皇太神宮にも参拝されることをおススメします)。
 最後に一つ。これは私独自の絵画やデザインの見方なのですが、ぜひ、永井さんの作品を「片目」で見てみてください。両目という日常から解放されるだけで、2次元がどれだけ高次元に拡張するか分かります。

富山県立近代美術館

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