マイルドヤンキーが世界を救う!?
今朝、NHKの週間ニュース深読みで特集されていた「マイルドヤンキー」。
博報堂の原田曜平さんが定義したある若者層。いちおうその定義は次のようになります。
「上昇傾向が少なく地元志向が高い比較的低所得で保守的であり反知性的傾向があるグループ」
さらにその具体的特徴として次のようなものが挙げられています。
・「絆」「仲間」「家族」という言葉が好き
・「地元」(自宅から半径5km)から出たくない
・車(特にミニバン)が好き
・たばこ、酒が好き
・ショッピングモール(イオン)が好き
・ドン・キホーテが好き
・EXILE(あるいは湘南乃風)が好き
・(案外)やさしく、礼儀正しい
たしかにそのような方々がけっこういますよね。特に地方都市。
私は彼らの存在について、文化論、宗教論的な視点から注目していました。先日も家族で旅をしながら、すれ違う車の種類や内外装のカスタマイズによって、いくつかのグループに分類していましたが、その中でこの「マイルドヤンキー」が非常に多かったことを思い出します。特に地方都市の主要道路で。
今日の番組でも、ホンダのミニバンのデザインやドン・キホーテの品揃えについて語られていましたね。たしかに一つの文化として、あるいは経済主体として、無視できない層になっています。
そうそう、ちょっと前にNHKの朝のニュースでも特集されていたのですが、その時の内容をこちらで読めますので、ぜひ。面白いですよ。
私は仕事柄、従来のヤンキーがワイルドからマイルド化しているのを目の当たりにしてきました。
実際、最近は非行に走るヤンキーがほとんどいなくなり、ちょっとした寂しさすら感じるほどであります。いざいなくなってみると、なんというか、肉食系の男らしさのようなものを感じる機会が減り、日本の将来が心配になってしまったりしてね。
では、従来のヤンキー層がどこへ行ったのかというと、やはりマイルドヤンキーが大部分。そして、一部はオタクになっています。
面白いのは、マイルドヤンキーとオタクは相容れないということでしょうか。別に表面上は衝突しませんが、裏ではお互いに馬鹿にしあっていたりする。
真性オタクのウチの長女なんか、今日の番組見ながら「キモイ」を連発していました。お前、本人たちの前でそう言えるのか?(笑)。
今回の番組にせよ、原田さんの本にせよ、なんとなく彼らマイルドヤンキーを見下しているような印象を与えかねませんが、私は彼らこそ日本文化の大切な部分を担っていると真剣に考えています。
もともと、たとえば暴走族などにも、いわゆる「荒魂」を見てきた私です。以前は、ここ富士山は年始の「日の出暴走」の舞台、すなわち元旦に関東や中部の暴走族が集結して、一種のお祭りを催していたわけですが、最近はほとんどいなくなってしまい、非常に寂しく思っています。
先生のクセにとんでもないことを言うヤツだとお叱りを受けそうですが、このブログで何度も書いてきたように、日本の「和」を実現するためには「荒魂」の祭祀的な発現が不可欠だと本気で思っていますので、スミマセン。
そう、私がプロレスを好むのもその理由であり、また、そのプロレス文化も今や衰退してしまい、ワイルドがマイルド化してしまっていることを心配している理由もそこにあります。
しかし、一方で、これもまた「荒魂による和魂の招来」という本来の「祭」の意義において、ある意味必然的な過程なのではないかとも思います。
「荒魂」自体が「和」に近づくことで、全体の「和魂」が安定化、強化されるのではないかと。
ちょっと前に紹介した諏訪の御柱祭なんかは、いまだに強烈な「荒魂」が発動する場です。命がけですからね。それはそれで局所的に残っていくべきでしょう。
一方で、荒魂の他の大部分はマイルド化しながら、しかしなくならないで存在する。これは真性ヤンキーの予備隊とも言える存在です。いざとなったら行きますよと。
逆に、国民全体が純粋で強烈な荒魂を発動した(させられた)のが戦争でしょう。戦争を祭と捉えるなど、それこそ怒られちゃいそうですが、戦争の機制として発達したスポーツがオリンピックのような祭典になりうるところから見ても、あながち間違いではないと考えられます。
なんかいろいろ話が飛んでいますけれど、とにかく、マイルド(柔和)であろうとヤンキー(荒魂)は、地方にしっかり存在しているということですね。そして、その地方で、非常に古典的な人間関係を形成し、実際に地方の祭の主役を担ってくれていたりする。
これは素晴らしいことです。私にはできない大切なお役目を担っているのです。そして、それを彼らは無意識的にこなしている。そこが尊いところです。
教え子たちのある程度の割合が確実にマイルドヤンキーになっていきます。彼らの無意識の部分に、少しでも「荒魂」の誇りを注入できるよう、教育活動に勤しみたいと思います。
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