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2014.05.16

『幻の楽器 ヴィオラ・アルタ物語』 平野真敏 (集英社新書)

20140516_181751 いつい引き込まれ、あっという間に読んでしまいました。
 いろいろ理由はあります。
 まず、「変な楽器」が主人公であること。私は「変な楽器」マニアです。
 それも「ヴィオラ」族の楽器であること。私はヴィオラ族の楽器を弾きます。
 それもそれも「5弦(最高弦E線が加えられている)」ヴィオラの話であること。私は5弦ヴァイオリンを弾きます。
 さらに「歴史から消された」モノであること。私は「歴史から消された」ものを発掘するのを天命としています。
 そして「謎が徐々に解明されていく」こと。私の一番好きなストーリーです。
 そしてそして「運命の出会い」の連続であること。これは今私も体験しています。
 これで最後にしましょう、「直観(霊感)」の物語であること。これも今の私の生活そのものです。
 追伸…文章が非常にうまい。
 というわけで、これは音楽好き、楽器好きのみならず、ミステリーやサスペンス好き、あるいは探偵もの、そしてドキュメンタリー好きの方にもおススメです。
 「ヴィオラ・アルタ」…私も知りませんでした。ある時期、ドイツで、いかにもドイツらしい発想のもとに生まれた「究極の楽器」。それが一時の栄光から一気に没落し、歴史の闇に葬り去られていった。なぜなのか。
 それも今から100年くらい前の、いわば近過去の話だから面白い。私もこのブログの中で、出口王仁三郎や「もう一つの富士山シリーズ」など、近過去に圧倒的な存在感を持っていたにも関わらず、今ほとんど忘れ去られてしまったモノ、しかし、少しずつ復活しつつあるモノを紹介していますね。
 そう、超古代などの謎を解いていくのも面白いのですが、それだとだいたい想像の産物になってしまい、結局は一般的な真実に至らない。しかし、近過去ですと、資料や実物、さらに関係する人物などが実在するので、より真実が明らかになりやすいし、こちらとしても実感が興奮や感動となる。
 最近私、「国譲り」の話をよくするじゃないですか。あえて消される(負ける)ことによって、純粋な形で原型を残すという。
 たとえば、ヴァイオリンなんか、ずっと勝ち組だったために、ガンガン改造され、ストラディヴァリだって、ほとんど原型をとどめていませんよね。すなわち「バロック・ヴァイオリン」の形では残っていない。だいいち本来の「ヴァイオリン」を「バロック・ヴァイオリン」と呼ばねばならない時点でおかしい。
 その点、この「ヴィオラ・アルタ」は、たった100年の間に完全に忘れ去られることによって、完全にその原型をとどめることができたわけです。そして、それがなぜか日本で復活する…そこが面白いところです。
 この大型の5弦ヴィオラ。大きさとしてはヴィオロンチェロ・ダ・スパラよりやや小さいくらいでしょうか。ということは、もう私の頭の中ではすでに弾けています(笑)。むむ、ほしいかもしれない。
 いつもお世話になっているバイオリンJPさんに、やや小型ですが、ヴィオラ・アルタもどき(?)が売りに出ています。お手頃なお値段だし…やばい、食指が動く(笑)。
 自分でも呆れてしまいますが、スパラ、(なんちゃって)ヴィオラ・ダモーレ八雲琴、そしてヴィオラ・アルタと、「変な楽器」度では、もしかすると著者の平野さんを超えてるかもしれませんな(笑)。
 まあ、考えてみれば、30年以上前からバロック・ヴァイオリン、ヴィオラを弾いていたわけで、もう10代の頃から変わり者だったんですね、私。メジャーでは勝負できないと分かって邪道を歩んだというわけですな。
 それはいいとして、とにかくこの本は面白かった。上では「追伸」なんて失礼な扱いにしてしまいましたが、何しろ「文章」がうまい。音楽、特に楽器のたたずまいや風情、風合い、そしてなんと言っても「音」を言葉で表現するのは非常に難しいはずなのですが、そこを見事にクリアーしています。
 図版や写真に頼りがちになりそうなところを、あえて文章だけで勝負している。そこは本当に素晴らしい。
 そして、最後の最後に「動画をぜひ」と。素晴らしい筆力だと思いました。それは、リッター教授の「ヴィオラ・アルタ物語」への敬意の現れなのではないでしょうか。
 そう思ったら、当初載せようと思っていた動画、やっぱり貼るのをやめます。この本を読んで、いろいろ姿形や声を想像してから、実際に(と言っていいか分かりませんが)アルタ本人と出会うのが一番幸せでしょう。
 う〜ん、それにしてもなあ…パイプオルガンにつなげたところは、本当に神がかっていますねえ…これぞ「モノ語り」です。
 ぜひお読みください。

Amazon 幻の楽器 ヴィオラ・アルタ物語


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