雨降らせて地固める
昨日の夜から今朝にかけて、すごい雨が降りました。
今ようやく満開の富士山のソメイヨシノ、フジザクラが散ってしまうかなと思ったら、そうでもありませんでした。意思を持って咲いている花は強いなと思いました。
そして、新緑もまた、天の恵みを受けていよいよ盛ん。なるほど、一見荒々しい豪雨には、生命の源がこめらているのですね。
今日は山梨県私学の新任者研修で指導をしてきました。なんだか自分がそんな立場になっているが申し訳ないというか…いやいや、皆さまのおかげ様で年数だけは重ねてきましたから、そろそろ恩返しの時を迎えているのかもしれませんね。
それにしても、私のような変わり者先生の話を聞いてためになるのでしょうか(苦笑)。
いきなり自己紹介で、「最近の座右の銘は…将来何になろうかなぁ…です!」と言って笑われました。
それから、これは直接話したわけではないのですが、ウチの学校の新任の先生が、私のいつもの話を他の学校の先生方に話したら、指導員に怒られたとか(笑)。
そりゃそうだ。
たとえば私はいつも「雨降らせて地固める」ということを言うんです。これなんか(常識的には)ひどいですよね。
つまり、学校において、あえて生徒に問題を起こさせるっていうことですからね(!)。
今や世の中はリスクヘッジの時代。問題を未然に防ぐのが当たり前というか、当然の義務。先生はもちろんのこと、企業でもそのためにどれだけエネルギーを浪費しているか。
その指導員の先生も当然、そういう常識的な次元で指摘してくれたのでしょう。ことが起きてからでは遅い、その予兆をつかみ未然に防ぎなさいと。
それもよく分かるんですが、どうも最近の私は非常識なようで、そうしたヘッジが教育者の本質ではないような気がしているのです。
実はそうしたヘッジに長けた先生方が、自慢気にトラブルを未然に防いだ実績を語ることが多いのですよ、最近の研修(特に公立さん)。
私は、どういうわけでしょうねえ、たぶん日本古来の神道の考え方や禅の修行について、ちょっとかじっているからでしょうか、起きるべき問題にはあえてフタをしないようにしています。
自然界といっしょですよ。よく私が言っているような、「荒魂」による「和魂」の招来というのが、実は教育の根幹にあるのではないかと。
そういう意味で、言葉は悪いかもしれませんが、私は学校で何かあると…生徒、親、先生すべてにおいて…ラッキー!よっしゃ!と思うのです。
我々人間は、実はそうした「苦悩」「悩み」「衝突」「不本意」というモノに出会った時しか成長できないのではないか。自分の思いどおりになっている時には、昨日の自分となんら変わっていないのではないかと思うのです。
そうしてみると、何事もなく、平穏無事な学校においては、我々教師は何も仕事をしていないことになります(もちろんあえて極論してますよ)。
ウチの学校は小さな学校ということもあるし、私のこのような考えに、他の教員も保護者も賛同してくださっているので、ある意味生徒たちは安心して問題を起こせます(笑)。
そして、それを乗り越えることによって、個人もクラスも学校も成長していくという形を毎日とっています。
不思議な学校ですよね(笑)。
今の世の中、「雨降らせて地固める」どころか「雨降って地固まる」さえあってはいけないことのように思われています。
本来、教育の目的とは、「地固める」ことだと思うのですが、いつのまにか「雨降らせず」が目的になってしまっている。
子どもは「自然」です。モノです。雨が降らなければ乾いて枯れてしまう。それでいいのだろうか。
そんなことを思った一日でありました、ハイ。
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コメント
問題が起きれば肩身は狭いし大騒ぎ、とかくこの世は生きにくいものでございます。問題だって起きますよね、そしてそれをいかに乗り越えるかが大切ですよね、人間ですもの。
投稿: A.I | 2014.05.02 19:21
発達面にちょっと問題を抱えた息子。心理の先生は
「10代のうちに、なるべく「失敗」をさせてください」って言われて
「あ、失敗しても、いいんだ~」と思いました
失敗をそのままにしないで、その失敗を糧に成長できれば、それは『成功』だと思います
投稿: ふなふな | 2014.05.03 12:33