CHAGE & ASKA 『SAY YES』
ASKAの逮捕で大変な騒ぎになっております。この流れなら言える。実はワタクシ「SAY YES」か好きでした(笑)。
あの曲が大ヒットした頃、私はいわゆるJ-POPを馬鹿にしているようなところがあって、正直に「好きだ」と言えなかった。
今なら「ほんとは好きなんだろ?イエスって言えよ!」と言われれば「イエス」と答えられます(笑)。
いや、実際のところ、この曲を初めて聴いた時の衝撃は忘れられません。本当に驚きました。ヤバイと思いました。
いちおう音楽理論的なことにもはまっていたので、この曲の複雑で破格なコード進行と、しかしそれでいて非常にポップでキャッチーなメロディーとの共存には、「やられた!」と思いましたね。
それまでのチャゲアスのイメージとはかけ離れていたし、うわっ、これは降りてきたなと感じました。
降りてきた…というのが、今考ればミソというか危なかったところかもしれません。
こういう神がかり的な曲を書いてしまうと、あとがきつい。YAH YAH YAH なんか、あえて逆路線(シンプル路線)でうまくごまかしましたが、やっぱりあとが続かなかった。
そうすると、カネがあって悩んでいるところにつけ込むヤツが出てくる。きっつい世界ですねえ。
今日のニュースで、彼に関係する曲の出荷停止が決まったとのことで、CHAGEさんはとんだとばっちりを受けることになりますね。
とにかく聴けるうちに聴いておきましょう。この神曲を。もういやというほど聴いておられると思いますので、ぜひベースラインに注目(注耳?)しながらどうぞ。韓国でのライヴ。
最初の4小節は普通ですが、5小節めからのプチ転調、そして9〜12は普通にリフレインとして13小節からのうごめく転調の連続はちょっとびっくり。
そして、「恋人の〜」の「こ」が一番ありえませんね。ここでこれが来るかという。ホントびっくりしました。そして、驚いているうちに普通に戻っているという(笑)。
その後ベースラインクリシェやドローンを経てサビへ。このサビがまた衝撃的だった。半音下降のベースのクリシェの上に、ディミニッシュのコードが乗って、あのうねるようなメロディー(メロディー自体は普通の音階でできています)が乗って、そしてまた穏やかに日常に戻っていく。
長調の曲の中でディミニッシュ系のコードを上手に使っているという意味では、ショパンに匹敵するのでは(ちょっと大げさかな)。
いずれにせよ、昨日お休みしたポールでさえも発見できなかったことをやってますよね。この曲は国際的に通用するでしょう。
こうしたコードアレンジはASKAさんなのでしょうか、それともキーボーディストの十川知司さんなのでしょうか。
いずれにせよ、バブリーすぎるコード進行が、奇跡的にうまく行った稀有な例ですね。バブルが残した遺産でしょう。
また、地味にCHAGEさんのハモりがいいですよねえ。うまい。ハモりを作ったのはCHAGEさん本人でしょうか。ただの3度ハモりではないですよね。効果的です。ハモりというより対旋律ですよね。
CHAGEさんの良さを実感するために、CHAGEパートを違う人が歌ったやつを聴いてみましょう(笑)。
この頃のASKAさんは、もうちょっとヤバイ感じですね。しかし、それを励ますかのように、周りの方々が頑張っていますね。あの単純ながらも効果的なイントロのピアノを味わい深げに弾く小林武史さん、ベースの醍醐味を味わい尽くしいるであろう亀田誠治さん。もちろん対旋律に酔う桜井和寿さん。
神に愛され悪魔に魅入られたASKAさん…ということでしょうか。
ちなみにウチのカミさん、この曲が発売された1991年に、親にナイショで秋田市で行われたチャゲアスのライヴに行ったそうです。センター試験の2週間前(笑)。当然、この曲も生で聴いたとのこと。そして、ASKAがバク転したそうです(笑)。
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